Project/Area Number |
11132233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水谷 義 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40229696)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 分子認識 / 疎水相互作用 / イオン対 / エンタルピー / エントロピー / ポルフィリン / アミン / アミノ酸 |
Research Abstract |
1.電荷を配置し疎水環境を付与した水溶性ホスト分子の合成ポルフィリンを骨格に持ち外向けにイオン基を配し,内部は疎水環境を有するような水溶性ホスト分子を多段階の合成スキームに従って合成した。これらのホスト分子の種々のアミノ酸,オリゴペプチド,タンパク質に対する認識能の評価を行った。これらのゲストに対する平衡定数を分光学的に測定した。25℃ホウ酸緩衝溶液での会合定数は、10〜10^5 M^<-1>の範囲で変化した。これらのレセプターは、特に、疎水性のゲストおよび、カチオン性のゲストにたいして強い親和性を有することが示された。ヒスタミンやヒスチジンを含むオリゴペプチドに対する親和性は、会合定数で、10^5 M^<-1>のオーダーであり、水中での親水性ゲストに対する親和性としてはきわめて大きなものであった。 2.分子認識に伴う熱力学量(エンタルピー,エントロピー変化)の測定上記の分子認識に伴う平衡過程の熱力学量をvan't Hoff分析によって決定した。塩化メチレン中のエンタルピー変化に比べて水中では、エンタルピーの利得は遥かに少なく、極性基に対する溶媒和の寄与が大きいことを示した。また、カチオン性のゲストの認識において、正のエントロピー変化が観測され、塩橋の形成において脱溶媒和による大きなエントロピーの獲得が会合を駆動していることを示唆した。 以上、ルイス酸、疎水空間、カチオン認識部位を有する水溶性ポルフィリンの合成に成功し、その種々のゲスト分子に対する分子認識能を、会合定数により評価した。ポルフィリンに付与した疎水性に応じて、疎水性ゲストを認識することが分かった。また、親水的なゲスト分子に対する会合定数のイオン強度依存性、pH依存性を調べることにより、静電相互作用の寄与について定量的に評価した。
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