固体表面に対する親和性と配向の精密制御されたタンパク質の創製
Project/Area Number |
11132250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中西 一弘 岡山大学, 工学部, 教授 (90026584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 維克 岡山大学, 工学部, 助手 (70294436)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 付着 / ペプチド / ラテックス / 吸着等温線 / RNaseA / 不可逆吸着 / ステンレス |
Research Abstract |
本研究では、タンパク質と固体表面の直接の相互作用に着目して、固体表面に対する親和性と配向の制御されたタンパク質の創製を最終目的として、1)固体表面に直接相互作用するタンパク質分子内ペプチド部位を特定する方法の確立と、2)ペプチド部位の固体表面に対する親和性の強さとそのアミノ酸組成・長さ・二次構造等との関係を明らかにすることである。本年度はモデルタンパク質として、主として分子量が小さく三次元構造が明らかにされている、ウシ膵臓由来リボヌクレアーゼA(RNaseA)を、固体表面としてステンレス粒子とポリスチレンラテックス(Pslatex)を用いて、固体表面に直接相互作用する部位の同定と相互作用に関する知見を得ることを目的とした。RNaseAをカルボキシメチル化した後、トリプシン処理し、得られたペプチド混合液あるいは合成したペプチドを試験液に溶解し、吸着等温線を測定した。主な成果は次の3点に要約される。 1)RNaseAの各pHにおけるステンレスに対する吸着等温線はいずれもLangmuir型を示したが、高pH領域では、殆ど吸着がみられなかった。Pslatexの場合では吸着等温線はpHに殆ど依存せず、不可逆吸着を示した。 2)トリプシン処理によって得られたRNaseA由来ペプチドを用いて吸着実験を行ったところ、ステンレスに対しては酸性アミノ酸残基を含むペプチド10が、Pslatexに対しては、疎水性アミノ酸残基を多く含むペプチド9が顕著に吸着していた。3)ペプチド9-1の疎水性アミノ酸残基であるIleをGlyに、ペプチド9-3のPheをGlyに、10-1の酸性アミノ酸残基GluとAspをGlyに置換したペプチドを合成し、吸着特性の変化を調べたところ、いずれのペプチドも吸着力は激減した。これらの結果から、ステンレスに対する吸着には酸性アミノ酸残基が、Pslatexに対する吸着には、疎水性アミノ酸残基による疎水相互作用とベンゼン環同士のπ-π相互作用が深く関与していることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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