ヘムタンパク質の高機能変換をめざしたミオグロビン表面への精密分子認識部位の導入
Project/Area Number |
11132259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 高史 九州大学, 工学研究科, 助教授 (20222226)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | タンパク質再構成 / ヘムタンパク質 / ミオグロビン / 分子認識部位 / チトクロムc / ターゲッティング素子 / タンパク質機能変換 / タンパク質複合体 |
Research Abstract |
平成11年度はチトクロムcなど表面にカチオン電荷が集中して存在しているタンパク質にターゲットを絞り、アニオンドメインをヘム末端に有する再構成ミオグロビンのデザインと合成を行った。 具体的には、2つのヘム末端プロピオン酸側鎖に多数のカルボン酸を導入し、得られた修飾ヘムをアポミオグロビンに挿入することにより、アニオンドメインをタンパク質表面に有した再構成ミオグロビンを調製した。得られた再構成ミオグロビンの構造と安定性は、UV,NMR,Mass等で検証し、表面電荷が変化したことを等電点の測定から明らかにした。さらに表面に形成されたアニオンドメインの生体分子認識能の評価のために再構成ミオグロビン-チトクロムcの相互作用系を検討した。その結果、再構成ミオグロビンに構築したアニオンドメインの認識部位がチトクロムcと強い相互作用を形成し、新規タンパク質間複合体を得た。相互作用の安定性は、フラッシュホトリシスから見積り、さらにミオグロビンからチトクロムcへの円滑な光駆動型電子移動反応が観測されることを明らかにした。また、アニオンドメインに相当する、ヘム末端カルボン酸の数や形状がチトクロムcとの相互作用及び電子移動反応に強く影響することを示した。この研究はヘムタンパク質に効率的な人工分子認識部位を合成化学的に構築した初めての例であり、今後様々な生体分子に対して認識部位をテーラーメード的にヘム末端へデザインする手法を提案し、ミオグロビンをプローブとする新しい機能(ターゲッティング素子)としての例として今後応用を図る予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)