非対称場を生み出す、カルベン性ポルフィリノイドの共役拡張
Project/Area Number |
11133101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石川 雄一 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助教授 (30184500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 健夫 大分大学, 工学部, 助教授 (80261501)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 反転 / ポルフィリン / 互変異性 / 反応性 / 面不斉 / 共役拡張 |
Research Abstract |
一つのピロール環が反転した反転ポルフィリンの特徴は、非対称である点、さらに、カルベン(イリド様)状態を描け高反応性を期待できる点にある。実際、我々は、この内部炭素が、ニトロ化、アルキル化、ハロゲン化などの求電子剤と反応し、対応する置換基を与えることを本実験で確認した。また、内部炭素だけでなく、反転ピロールの外周の窒素とその隣のα炭素にも置換基を導入できることを見い出した。この反応性を利用して次の新しいパイ系の拡張を行う事を今年度の目的とした:(a)面外拡張-内部炭素に第二の共役系をアゾ基を中心にして導入する事。(b)面内拡張1:反転環の外周の窒素にカルボニル基を仲立ちとして第二のπ共役環を導入する。(c)これらの新しい非対称なπ共役システムの非線形光学特性を配向試料で評価するための方法を確立する事、である。 内部炭素の反応性を利用し、ニトロ基の導入、その還元、ニトロソベンゼンとの反応により内部炭素からアゾベンゼン基がでた構造体をえることに成功した。さらに、内部炭素に置換基を導入すると面不整になることも、光学分割カラムを利用したHPLC分取とCDスペクトルから確認した。この面不整は、ピロール環が反転する事から生み出されるものであり、反転ポルフィリンの大きな特徴の一つである。さらに、外周Nにアシル基を導入すると、興味深い事に反転ピロール環の隣のメソ位炭素に縮環したクロロフィル様の反転体の形成を見いだした。
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Report
(1 results)
Research Products
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