Project/Area Number |
11133203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
下村 政嗣 北海道大学, 電子化学研究所, 教授 (10136525)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 核酸塩基 / 分子認識 / 単分子膜 / 励起子 / 水素結合 / スタッキング / π電子 / ポリジアセチレン |
Research Abstract |
DNAは遺伝情報機能を司る生体高分子であり、その高次構造と複製機能は水素結合によって厳密に定められた塩基対の形成とそれら塩基対の一次元的な積み重なりによって決まる。合成高分子と比較すると、厳密に決められた分子量とモノマーシークエンスを有しており、さらに塩基対のパイ電子が基底状態で相互作用するほど密に接近した、特異な構造を持っている。スタックした塩基対が長距離にえあたる光誘起電子移動のパスとなりうる可能性が報告されて以来、その機構をはじめとして数多くの実験や議論が盛んになされている。本研究はDNAの核酸塩基部分のみを切り出した、簡単な二次元モデルシステムを作製することで、水素結合を介して一次元にスタックした相補的な核酸塩基対の集合体を作製し、そこでの電子移動体を構築するとともに、特異な非局在電子系を設計しようとするものである。 (1)ジアセチレン基を有する重合性両親媒性核酸塩基誘導体を系統的に合成した。 (2)これらの化合物は気液界面において安定な単分子膜を形成し、さらに下水相に存在する一本鎖DNAと相補的な塩基対を形成した。 (3)二次元核酸塩基集合体を固定化するために、一本鎖DNAの共存下で、気液界面における鋳型重合をおこなった。光照射により、ジアセチレンに特徴的な共役鎖形成に伴う発色と蛍光発光が観察された。これによって分子量、塩基配列が厳密に決まった共役パイ電子系を構築することが可能となった。 以上の結果、水素結合によって組織化された核酸塩基対からなるナノ構造対の形成に成功した。ジアセチレン高分子を導入することで、ナノ構造体中での電子の非局在化が可能となった。
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