光電子移動反応による安定ラジカルイオン効果-パルス光による反応制御
Project/Area Number |
11133223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
沢木 泰彦 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30023120)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ラジカルイオン / 光増感電子移動 / 光定常状態 / ラジカル / 酸化還元 / パルス光 / 活性中間体 |
Research Abstract |
ラジカル種やラジカルイオン種は、有機化学反応における短寿命の活性中間体とされてきた。このような活性中間体による有機化学反応については不明な点が多い。本研究では、ラジカル種とラジカルイオン種の反応の可能性について検討し、ラジカルイオン種による酸化還元反応の制御因子を解明することを目的とする。 芳香族カルボン酸塩とシアノ芳香族化合物の混合溶液に光照射すると、カルボン酸アニオンの一電子酸化、脱炭酸、ラジカルの還元が溶媒カゴ内で高効率で進行することが判明した。生成物、レーザーフラッシュ分光法により、主反応はラジカルの生成ではなく、カルバニオンの生成であることがわかった。他方、光化学的にラジカルとラジカルイオン種を同時に発生し、ラジカルの酸化還元反応について詳細に検討した。反応式はかなり複雑であるが、ラジカルの酸化生成物と還元生成物を定量することにより、興味あることが判明した。通常の光照射による生成物比が、Ph_2CHOMe:Ph_2CH_2=1:10であるのに対し、レーザー光をパルス照射すると、生成物比は1:1に近くなる。パルスの間隔を短くすると、この比は徐々に増加する。これらの事実から、酸化剤であるラジカルカチオンと還元剤であるラジカルアニオンの濃度比がパルス間隔により変化することが推察できる。一般的には中間体の定常状態濃度比は1:1と仮定されるが、実際はそうではなく、その定常状態濃度比は反応条件によって変化することが判明した。活性中間体の相対濃度比によって、反応の選択性が支配されるのである。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)