Project/Area Number |
11133224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
立光 斉 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70101277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
迫 克也 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (90235234)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 分子素子 / 導電性 / ジアセチレン / 固相重合 / TTF / 分子配位 / 分子導線 |
Research Abstract |
本研究はナノメートルサイズの分子素子創出の一環として,同一金属における酸化還元電位の違いを利用した新しい機能をもつ多次元的な電子伝達系を利用した共役系触媒を開発することを目的としている。TTFの研究から高導電性を発現するための分子設計指針として分子配向制御と電導方向の多次元化が提案されている。またポリアセチレンは高導電性を示すが,導電性材料として実用化に供するには安定性の改良という問題が残っていた。一方,ジアセチレンは熱または光により固相重合してポリマーを与えるが,結晶中のジアセチレンが配向していることに由来する。先ずTTFおよびベンゾーTTF誘導体をジアセチレンの両末端に結合させた化合物の合成を目的として研究に着手した。まずジアセチレンの両末端基である非対称型TTFを得るためにカルベン反応を含む多くの反応を適用し,最終的にはWittig-Horner反応によりこれまで極微量しか得られなかった非対称型TTFを良好な収率で得ることに成功した。さらに二つのTTF骨格にジアセチレンを結合させる反応でも極めて多くの反応条件を検討した結果,モノアセチレン誘導体を経由した段階的合成法により目的とするジアセチレン-TTF誘導体の高収率合成を実現した。得られた化合物の電気化学的測定からπ電子共役系の拡張が明らかになり,このDDQ錯体は電気伝導度測定から半導体であることが示されたが,この値は現在実用化されている導電性カーペットに匹敵するものである。さらに微細結晶を用いた固相重合を行いポリマーの生成を明らかにした。このように固相重合が進行することは結晶中においてTTFとジアセチレンの両方または一方が積み重なりの配向を制御していることを示唆するものとして注目される。さらにこの化合物は分子導線を経由したスイッチング機能素子としての潜在的可能性を有する材料としても意義がある。
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