Project/Area Number |
11133246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
又賀 駿太郎 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (10038599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 剛 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (90240902)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 積層オルトシクロファン / 5層ファン / ルテニウム錯体 / クロム錯体 / CV / 酸化還元挙動 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
1)5個のベンゼン環が積層した[3.3]オルトシクロファンの前駆体を合成した。5層堆積型[3.3]オルトシクロファンテトラケトンには、カルボニル基の向きが異なった6種類の異性体が考えられる。HPLCにより、現在までに3種類の異性体を単離した。 2)2層積層型[3.3]オルトシクロファンRu(II)錯体を合成し、それらの酸化還元挙動をCV測定により明らかにした。Ru(II)モノ錯体のCVを室温で測定した場合、可逆的な酸化還元波が観測されたが、生成したRu(0)は不安定で、Ipc/Ipaの値は小さかった。-35度で測定したところ、還元種は安定となり、IpcとIpaはほぼ等しくなった。ビス錯体の場合、2つの還元波が観測されたが、低温でも非可逆であった。これは、還元により生成した化学種が不安定であるためと考えられる。 3)芳香環にニトロ基などの電子吸引性置換基基やクロムトリカルボニル基を有する[3.3]オルトシクロファンのX線結晶構造解析を行った。電子吸引性基が置換した積層型[3.3]オルトシクロファンでは芳香環同士の静電反発が減少して芳香環間の距離と二面角が減少した。この現象は、クロムトリカルボニル錯体においてはより顕著であり、ビスクロムトリカルボニル錯体はこれまでに合成されたシクロファンの中で最も短い距離と二面角を持つことを明らかにした。
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