圧力誘起水素化物超伝導体と新機能材料の探索とその物性研究
Project/Area Number |
11135207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
上床 美也 埼玉大学, 理学部, 助教授 (40213524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小坂 昌史 埼玉大学, 理学部, 助手 (20302507)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | プロチウム / イットリウム / 圧力効果 / 薄膜 / 電気抵抗 |
Research Abstract |
金属に水素が吸蔵されると、(1)超伝導、(2)構造層転移、(3)金属-絶縁体転移、(4)磁気秩序の出現及び消失などの電子構造を反映した劇的な物性変化が起こることが報告され、多くの研究者により研究が進められている。最近、イットリウム水素化物が水素濃度により金属-絶縁体転移を示すことが報告され、この転移のメカニズムが強相関物質の持つ電子間相互作用と同じである可能性が指摘されている。強相関系化合物は磁気相互作用を消失した状態(量子臨界状態)付近で超伝導が出現することが報告されているが、この量子臨界状態での超伝導出現機構は、高温超伝導体の超伝導出現機構にも関係していると考えられている。本研究では、単金属及び磁性化合物の水素化物を作成し電気抵抗、磁化、光吸収の圧力効果の測定を通して、超伝導物質及び新機能材料の探索とその物性研究を行うことを目的とする。 測定には、石英ガラス、サファイヤ、Pd板の上にYおよびCeを650nmの厚さで、Pdを20nmの厚さでスパッターした試料を用いた。水素化物は、RH2およびRH3-δを作成した。得られた試料の物質評価は、X線回折により行い、RH2およびRH3を決定した。加圧下での測定は、ピストンシリンダー型圧力装置を用い、電気抵抗等の物性測定を行った。 得られた水素化物のX線回折パターンより、Yは六方晶構造を示すが、水素化によりYH2の立方晶構造およびYH3-δの六方晶構造に変化していることがわかった。この結晶構造の変化は可逆的で、試料の温度を変化させることにより水素量を自由にコントロールすることが出来る。 また、得られたYおよびYH2試料を用いて電気抵抗の温度依存性を測定した。YおよびYH2は温度とともに抵抗は、減少するが、YH2の抵抗はYの抵抗より2桁上昇した。これは、水素化に伴いYの金属からYH3-δの絶縁体へと変化したためと考えられる。温度依存性は半導体的(温度上昇にともない抵抗が減少する)でないのは、Pd金属で全体を覆っているためPdの温度依存性を反映しているためとして理解される。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)