Project/Area Number |
11135226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
吉村 雅満 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40220743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 一之 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029212)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | プロチウム / 水素吸蔵合金 / 水素顕微鏡 / 電子励起脱離 / TOF-ESD / 表面 / 吸脱着 |
Research Abstract |
本研究では水素吸蔵合金におけるプロチウムの吸脱着機構を表面物性的手法を用いて解明することを目的として今年度次のような研究成果を得た。 (1)水素吸蔵合金に使用されるZr表面でのプロチウムの挙動及び酸素との関係について315K以下で電子励起脱離(TOF-ESD)法を用いて調べた。水素ガスの解離は顕著でなかったが、酸素を導入するとプロチウムはバルクから表面へ偏析した。 (2)Ti(0001)面での水素、酸素吸着を調べた。水素吸着は硫黄の影響が大きく実験は困難であったが、イオン衝撃、アニール条件を選び、極力硫黄の影響を少なくした。Zrの場合と同様に酸素を導入するとバルクからのプロチウムの偏析が観察された。 (3)水素検出顕微鏡の空間分解能を1ミクロン以下に改良し、バナジウム系水素吸蔵合金におけるプロチウム、酸素の挙動を調べた。実用的なバナジウム系合金は粒径が1ミクロン以下と小さいので、現時点の分解能ではプロチウムの吸脱着過程が十分に観察できない。従って粒径ほぼ10ミクロン程度のものを鏡面研磨して用いた。SEM像は結晶粒界が不鮮明でありアルゴンイオン衝撃によりスパッタリング率の違いを利用してグレインを出して実験を行った。酸化物が前面を覆っているときは結晶粒界によるプロチウム分布の差は明確ではなく、母相のバナジウム酸化物と結晶粒界のTi,Ni酸化物からの酸素を識別できる程度であった。しかし清浄化が進むと、母相と結晶粒界の表面特性の差異が現れて、プロチウムは母相に、酸素は結晶粒界のTi,Ni酸化物に局在することを明らかにした。
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