無機-有機複合系における、光・磁場・電場を用いた伝導電子制御の研究
Project/Area Number |
11136211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田島 裕之 東京大学, 物性研究所, 助教授 (60207032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花咲 徳亮 東京大学, 物性研究所, 助手 (70292761)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 分子性伝導体 / 有機伝導体 / 金属-絶縁体転移 / d-π相互作用 / 負の巨大磁気抵抗 |
Research Abstract |
本研究では、外場、特に光、磁場、電場による伝導電子制御を目指している。今年度はその観点から以下の研究を行った。 1.TPP[M(Pc)(CN)_2]_2 (M=Fe,Co)の巨大磁気抵抗 この物質は、中心にd電子をもつFe^<3+>、Co^<3+>を包含する。特にM=Feの時は、Fe^<3+>がS=1/2の局在磁気モーメントを有するため、π電子と局在磁気モーメントとの相互作用が期待される。H10年度の実験で、i)10K以下で出現する自発磁化、ii)室温まで現れる大きな磁気異方性といった非常に興味深い現象を、M=Feの塩で見出している。本年度は、この物質を用いて磁気抵抗の研究を行った結果、50K以下で巨大な負の磁気抵抗を示すことを見出した。負の磁気抵抗の大きさは、同種の現象を示す他の一次元電子系と比べると、群を抜いて大きい。また、M=Coの塩では、5K以下で巨大な正の磁気抵抗を見出した。(研究成果4,6) 2.その他金属錯体の研究 上記の研究に加えて以下の研究を行った。i)一軸加圧装置を用いて、(DMe-DCNQI)_2Cuの金属絶縁体転移が、加圧方向によって大きく変化することを見出した(現在投稿準備中)、ii)伝導性金属錯体において"mid-infrared band"として長い間起源がわからなかった吸収が、電荷分離・スピン分極によって起こっていることを明らかにし、その解析から電荷分離のパターンを決めることができることを示した。(研究成果1、3、5、一部は現在投稿準備中)。特にii)の研究は、金属一絶縁体機構の解明という観点から見て、本質に迫るものであり、現在さらに研究を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)