パイ共役系架橋配位子の利用に基づく分子性強磁性金属を目指した遷移金属錯体の開発
Project/Area Number |
11136212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
石田 尚行 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00232306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 隆 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80029280)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ピリミジン / 有機ラジカル / ドナー分子 / 磁気的相転移 / 分子性磁性体 |
Research Abstract |
本研究では、強磁性かつ金属電導性を電子物性上の興味の中心に置き、さまざまな分子性材料の物質設計、創成、物性評価を行った。物質群の合成開発には複素環架橋配位子の錯形成能を高次元的集積化のよりどころとした。 キラルな結晶PM_2CoX_2(X=Cl,Br)およびPM_2FeCl_2錯体(PMはピリミジン)がそれぞれ5K、6K以下で反強磁性構造を有することを、中性子線回折より明らかにした。これらをキャント磁性体と考えると、キャント角は3Kでそれぞれ9°,6°であった。さらに、有機ラジカル置換基を有するピリミジン(4-PMNN)を架橋配位子に用いた企画では、有機πスピンと無機dスピンとのハイブリッド磁性体が得られた。CoCl_2(4-PMNN)_2は3.5K以下でフェリ磁性体であると考えられる。CuX_2(4-PMNN)(X=Cl,Br)では強磁性的カップリングが得られた。架橋共役アニオンとして、シアナミドアニオン、ジピリジルアミンアニオンを検討し、相転移温度が10Kないし20K級の磁性体を得た。 電荷移動による錯形成能を利用する目的で、ドナー部位を有する金属錯体の合成を進め、(qt)_2Ni(qtはキノリン-8-チオラート)が、そのものだけでワイス定数が正であることを見いだした。新規な骨格を有する有機ドナー分子テトラオキフブルバレン類を合成することができた。今後、そのイオンラジカル塩のカウンターアニオンに遷移金属スピンを導入する合成戦略は今後の課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)