Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
1、5,15-ジアリール置換亜鉛ポルフィリンから,銀塩酸化を繰り返すことで,メゾーメゾ結合ポルフィリンアレーの合成を行った。最長,ポルフィリン128量体の単離に成功した。これらポルフィリンアレーの吸収スペクトルや蛍光スペクトルの測定から,励起一重項でのコヒーレント長(coherent length)は,6-8個であると推定された。 2、5,15-ジアリール置換ニッケルポルフィリンを強い酸化剤で酸化すると,メゾーベータ縮環ポルフィリンが生成することを見いだした。同様な反応条件で,メゾーベータ結合ポルフィリンがメゾーベータ縮環ポルフィリンに変換することから,まず,メゾ位よベータ位で結合してから,縮環するものと思われる。縮環ポルフィリンでは平面構造のため,πー電子系が非局在化して,吸収バンドの長波長シフトや酸化電位の低下がみられ,HOMO-LUMO band gapが著しく小さくなっていることがわかった。 3、メゾーメゾ結合銅ポルフィリン2量体をアミニウムカチオンラジカルで酸化するとメゾーベーターベータで三重に結合した二重縮環ポルフィリンが得られることを見いだした。これら二重縮環ポルフィリン2量体では,吸収波長の更なる長波長シフトと酸化電位の低下が見られた。同様な手法で2重縮環ポルフィリン3量体の合成にも成功したが,その最長吸収バンドは,1251nmに観測され,HOMO-LUMO gapの更なる低下が確認できた。これらの結果に基づき,実効的な分子ワイヤーへの展開が強く示唆された。
|