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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
1.多重相互作用系の構築と発光状態のチューニング. 昨年度より発光特性の研究を進めている3,3'-ビイソキノリン(i-biq)錯体系に加えて,新たに2,2'-ビキノリン(biq)を含む白金錯体の合成に成功し,構造および発光特性を明らかにした。Biqは,芳香環が配位窒素原子側に張り出しているため、配位の際の立体障害から大きく歪んでおり、弱い配位結合や歪みの効果による発光状態のチューニングが期待できる。 2.希薄な環境下での集積発光と集積状態の解明,制御. 前年度,[Pt(CN)_2(i-biq)]において,希薄な状態においても,錯体が集積して生じる特異な発光を観測した。これは,発光の制御による機能発現の観点からも興味深いので,その集積挙動と集積発光状態を解明するために,対応する[Pt(CN)_2(bpy)]と比較しながら,さらに詳細な分光学的検討を行った。[Pt(CN)_2(i-biq)]は、希薄なグラス中でも白金間相互作用を有する集積体を形成して特異な集積発光を示すことが明らかとなった。 3.複合スタック系の構築と選別集積機能開発. 平面性のジイミン配位子と非平面型配位子のエチレンジアミン(en)の両方を含む系白金錯体,[Pt(en)(L)]^<2+>(L=phen,pby)は,白金間の相互作用が不利になるかわりに,中性のフリーphenを優先的に取り込んで1:1交互スタックを形成することを見出した。選択的交互スタック形成に対するサイズやテヘロ原子の効果を調べる為に、種々の芳香属化合物を用いて有機-無機複合結晶形成能を調べた。その結果,約20種の複合結晶を得,そのうち10種の単結晶X線構造解析に成功した。それらの構造の比較から,[Pt(en)(L)]^<2+>に対しては,フェナントレン骨格が,交互スタック形成にちょうどよいサイズであり,このことが選別集積が起こる最大の要因であることが結論づけられた。これらの複合結晶の発光挙動から,複合体の分子間で容易なエネルギー移動が起っていることが認められた。
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