大型放射光を用いた低次元金属錯体のX線散漫散乱の測定と原子価秩序配列の解析
Project/Area Number |
11136244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
鳥海 幸四郎 姫路工業大学, 理学部, 教授 (90124221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満身 稔 姫路工業大学, 理学部, 助手 (20295752)
小澤 芳樹 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (40204200)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 低次元金属錯体 / 原子価秩序配列 / X線散漫散乱 / 大型放射光 / 複核白金錯体 / 混合原子価 / 一次元化合物 |
Research Abstract |
Pt_2(EtCS_2)_4Iは、輸送特性から204Kで2次のM-I転移を起こすこと、X線散漫散乱から一次元鎖上で白金原子価が-{Pt-Pt-I-Pt-Pt-I}-を周期として秩序配列していることが示唆された。白金原子価の秩序配列の温度依存性を明らかにするため、散漫散乱の測定をSping-8において399-90Kの温度領域で行った。この結果、室温付近ではa^*方向に線状に伸びた散漫散乱であるが、200K付近ではb^*に垂直な面状に広がった散漫散乱に変化し、さらに低温の133Kではブラッグ点に変化に変化することが明らかになった。これは、一次元鎖上での白金原子価秩序配列が、室温では2次元、200K付近では1次元、さらに低温では三次元秩序配列していることを示唆している。 また、Pt_2(RCS_2)_4I(R=n-Pr,n-Bu)の合成と結晶化に成功し、結晶構造解析より複核白金ユニットがヨウ素イオンを架橋子として直鎖状構造をとっていることが明らかになった。Pt_2(n-BuCS_2)_4IのDSC測定から204〜212Kと318〜323K付近で一次相転移が観測された。低温相、中間相、高温相で結晶構造解析を行ったところ、複核白金ユニットの直鎖状構造はいずれの場合も結晶学的な4回回転軸上にあるが、一次元鎖方向の周期は低温相では-Pt-Pt-I-の2倍、中間相では3倍、高温相では1倍と変化することが分かった。低温相での白金一白金、白金一ヨウ素問距離から一次元鎖上の白金原子価の秩序配列を推定すると-Pt^<II>-Pt^<III>-I-Pt^<III>-Pt^<II>-Iと思われる。抵抗率の温度依存性の測定から、低温相と中間相では半導体であるが、高温相では金属的であることが明かとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
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