ヒト透過性細胞を用いたDNA複製装置の免疫組織化学的解析
Project/Area Number |
11137303
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 松年 名古屋大学, 医学部, 教授 (70090420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武村 政春 名古屋大学, 医学部, 助手 (50303623)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
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Keywords | Rb蛋白 / リン酸化 / DNAポリメラーゼα / G1期 / S期 / 細胞増殖 / 複製工場 / サイクリン / cdk |
Research Abstract |
がん細胞は生体の制御を逸脱した無限増殖を特徴とする。細胞増殖は多重の制御機構のうち最も重要なものは、がん抑制遺伝子Rbの作り出すRb蛋白を介する調節経路である。我々はヒトRb蛋白の全長をバキュロウイルス一昆虫細胞系にて発現させ、抗Rb抗体カラムで精製した。リン酸化された精製Rb蛋白はDNAポリメラーゼαの反応を強く促進した。Rb蛋白を脱リン酸化酵素PP2Aで処理すると促進活性は低下し、逆に、cdk2/cyclineEを共発現して高度リン酸化型にすると促進は増強した。G1期には低リン酸化Rb蛋白がE2Fなど転写因子を不活性化してS期開始をブロックしているが、cdk/cyclin系によりリン酸化されると転写制御が解消すると同時に、リン酸化Rbそれ自体がDNA複製に促進的に作用することを示唆する。Rb蛋白は核内に比較的多量に存在し、抗Rb抗体で細胞を処理すると核全体が染色される。一方、リン酸化Rb特異的な抗体では斑点状に染まり、局在がより明瞭となった。この高リン酸化RbとDNA複製点の局在が一致するかどうかを調べるため、本国際共同研究をスタートした。共同研究者 英国オックスフォード大学Peter R.Cook教授は、種々の抗体を用いた免疫組織化学を駆使した形態学的解析から、核内に複製工場(replication factory)と名づけた構造体を同定した。これはDNA複製点を中心として、複製関連酵素およびそれらの調節因子よりなる巨大複合体であって、DNAはこの複合体を通り抜ける形で複製するモデルを提出している。平成11年度は、日本側共同研究者の一人である武村が数カ月にわたりオックスフォード大学に滞在し、上記研究を遂行するための技術を修得した。今後、活性促進に必要なRb蛋白ドメインとそのリン酸化を解析すると共に、リン酸化Rbの核内の局在とダイナミズムをreplication factoryのメンバーであるDNAポリメラーゼα、δ、ε、PCNA、RP-A等との関連において明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)