DNA傷害の認識と修復・細胞周期停止へのシグナル伝達
Project/Area Number |
11138231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩井 裕子 京都大学, 生命科学研究所, 助手 (10281726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江島 洋介 広島県立保健福祉短期大学, 教授 (50127057)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ナイミーヘン症 / 毛細血管拡張性失調症 / MRE11 / DT40細胞 / 相同DNA組み換え / 非相同DNA組み換え / 修復 / 染色体不安定性 |
Research Abstract |
染色体不安定性を示すAtaxia Telangiectasia(AT)患者由来細胞およびNijmegen Breakage Syndrome(NBS)原因遺伝子産物p95/Nibrinと複合体を形成するMRE11欠損細胞を用いて、これらの機能を解析した。Mre11は,細胞の増殖に必須であり、その欠損により致死となる際に染色体に断裂が観察されることによりゲノム・インテグリティーを保持するのに必要であると考えられた。ATM細胞と酷似した特徴の表現型を持つ、NBS由来細胞、MRE11遺伝子に変異があるAT-like disorder(ATLD)由来細胞はATM細胞と酷似した特徴の表現型を持つことが知られている。現在までにATM,NBS,ATLD細胞ともに顕著な修復能の低下は報告されていなかったが、我々は相同DNA組み換え機構が亢進しているDT40細胞を用いることによりMre11が非相同DNA組み換えよりもむしろ相同DNA組み換え機構に重要な役割を持ち、その欠損により染色体断裂が起きることを示した。このことにより、NBS,ATLDで観察される染色体不安定性は修復異常が原因の一つであるという可能性を示唆した。p95/Nibrin,Mre11の種々の変異と修復能、染色体の構造維持との関連を考察することが今後の課題である。また、ATM,NBS,ATLD細胞が酷似した表現型をもち、特にMRE11変異細胞もNBS細胞、ATM細胞と同様に特徴的な放射線抵抗性DNA合成を示すことやMre11,p95/nibrinのアミノ酸配列よりATMによりリン酸化される可能性が示唆されることによりDNA損傷の認識からチェックポイントへのシグナル伝達の同じ経路に位置すると考えられた。ATM,NBS,ATLD細胞で見られるチェックポイント異常とMRE11変異細胞で見られた修復異常との関連も今後興味深い問題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)