発がん予防における腸内フローラの役割の解明と機能的腸内菌の開発
Project/Area Number |
11138238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大西 克成 徳島大学, 医学部, 教授 (10037400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 知巳 徳島大学, 医学部, 助手 (60263810)
有持 秀喜 徳島大学, 医学部, 教務員 (30311822)
片岡 佳子 徳島大学, 医学部, 助手 (40189303)
中山 治之 徳島大学, 医学部, 助手 (80294669)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 大腸発がん / azoxymethane / 2-amino-1-methyl-6-phenylimidazo[4,5-b]pyridine(PhIP) / aberrant crypt foci(ACF) / Clostridium perfringens / リコペン産生大腸菌 / Bacteroides uniformis / ラクトフェリン |
Research Abstract |
大腸発がんにおける腸内菌の役割を明らかにすると共に、発がん抑制物質を産生する機能性腸内菌を作製し、大腸発がん予防に利用できるかどうかを検討することを目的として以下の点を明らかにした。 1.azoxymethane(AOM)および2-amino-1-methyl-6-phenylimidazo[4,5-b]pyridine(PhIP)により誘発される大腸前癌病変aberrant crypt foci(ACF)形成に対するClostridium perfringensの抑制機構を明らかにするため、C.perfringens3株(GAI0668株、NCTC8237株、13株)、phospholipaseC欠損株13plc^-、および復帰株13plc^-(pJIR418α)株の培養液を飲料水として飲ませ、AOMおよびPhIP誘発ACF形成に対する影響を調べたところ、GAI0668株が最もよくACF形成を抑制した。各菌株の培養上清中のphospholipaseC活性をp-nitrophenyl phosphorylcholineを基質として測定したところ、酵素活性とACF形成抑制作用との関連はなかった。GAI0668株の培養上清中のACF形成抑制作用は、加熱処理(100℃、10分)しても失活しなかった。 2.大腸発がん予防のための機能性腸内菌のモデルとして作製したリコペン産生大腸菌HB101(pVEIB)株の懸濁液を飲料水として飲ませたラットにPhIP(75mg/kg,10dose)を投与し、最終投与3週間後の大腸ACFを観察したが、ベクタープラスミドのみを導入したHB101(pVAL-1)株投与群と比べてACFの有意な減少は見られなかった。実験終了前日の糞便中の投与大腸菌数はHB101(pVEIB)株投与群で2.23±0.66×10^8cfu/g、HB101(pVAL-1)株投与群で3.09±1.13×10^8cfu/gで総菌数の5%以下であった。 3.腸管内に定着できる機能性腸内菌を作製するために、腸内フローラの最優勢菌であるBacteroides uniformisにヒトラクトフェリン産生プラスミドpVLFKを導入した。ウサギ抗ラクトフェリン抗体を用いたWestern blottingにより本菌の膜画分に80kDaのラクトフェリンのバンドが認められた。この組換え体B.uniformis(pVLFK)の培養液をラットに飲料水として投与したところ、ベクタープラスミドのみを導入したB.uniformis(pVAL-1)株投与群と比べてAOM誘発ACF形成が有意に減少した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)