Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Research Abstract |
neu癌遺伝子がコードするErbB2は受容体型チロシンキナーゼで、腫瘍の悪性化の一端を担うと考えられている。我々が同定したNTAKおよびneuregulin-4はErbB2を活性化する因子であるが、直接ErbB2に結合はしない。そこで、ErbB2活性化の分子機構を解析するために、まずNTAKおよびneuregulin-4とErbB1,2,3,4との蛋白質間相互作用を解析した。さらにNTAKのスプライシングアイソフォームと個々のアイソフォームのErbB2活性化能を検討した。 ErbB1からB4の4種類の受容体細胞外ドメインをヒトIgG-Fc融合蛋白質としてCHOに安定発現し、培養上清よりErbB1-4のIgG-Fc融合蛋白質を精製した。これらのリコンビナント蛋白質を用いて、リガンドー受容体の蛋白質相互作用を蛍光偏光法により解析した。その結果NTAKαおよびNTAKβはErbB1,ErbB2に直接結合せず、ErbB3,ErbB4にKD=0.5〜1x10-8Mで直接結合するが、neuregulin-4(NGC)はErbB1,ErbB2,ErbB3,ErbB4への直接の結合は認められなかった。これらの結果より、neuregulin-4(NGC)によるErbB2活性化の機構はNTAKによるものとは明らかに異なることが示唆された。さらに、ErbB2活性化リガンドであるNTAKのスプライシングアイソフォームをPCR法により解析し、ラットで5種類(α1,α2,β,α+β,Don-1,γ,δEGF)、ヒトで2種類(α2,δEGF)を同定した。αアイソフォームはほぼ全ての組織で発現を認めたが、βアイソフォームは脳に発現が限局されていた。このことから、各アイソフォームが個々に特有の生物活性を持つことが予想され、今後の解析が必要と考えられる。
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