チロシンホスファターゼ相同性分子による細胞接着、細胞骨格の制御機構
Project/Area Number |
11139244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
緒方 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60224094)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | チロシンホスファターゼ / PTP-1 / 細胞骨格 / 局在化シグナル / 線虫 |
Research Abstract |
我々は、がんと深く関わる細胞接着や細胞骨格の制御に、バンド4.1ドメインを持つチロシン脱リン酸化酵素が関連することを明らかにした。そのシグナル伝達機構について、マウスと線虫の脱リン酸化酵素(マウス:PTP36、線虫:PTP-1)を用いて解析中であり、本年度は、以下の点を明らかにした。 (1)PTP-1をヒト培養細胞で異所性に発現させたところ、細胞膜に局在し、また細胞骨格と結合していた。 (2)線虫の神経細胞においては、細胞質と神経突起に分布していた。 (3)以上の局在には、バンド4.1ドメインが必要充分であった。即ち、バンド4.1ドメインを欠損した変異型PTP-1は、細胞膜、細胞骨格、神経突起への分布が認められなくなった。一方、バンド4.1ドメイン単独で、野生型PTP-1とほぼ同じ分布を示した。 (4)PTP-1の過剰発現は、線虫個体の成長抑制を引き起こす。これを指標に、PTP-1の機能に必要な機ドメインを解析し、酵素ドメイン、バンド4.1ドメイン、PDZドメインがPTP-1の機能に重要であることを明らかにした。 以上、バンド4-1ドメインが細胞内局在化シグナルとして機能すること、バンド4.1ドメイン、PDZドメイン、PTPドメインが線虫の生体レベルで機能的に関わることを明らかにした。特に後者の結論は、現在進行中のバンド4.1ドメインやPDZドメインに対する結合分子の検索を行なうことの意義を裏付けると同時に、得られた結合分子とPTPの関係を生体レベルで解析可能な実験系となるものである。今後、PTP結合分子の解析を線虫表現型を指標として行なうことで、シグナル伝達系の本態を明らかにできると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)