発作性夜間血色素尿症(PNH)クローンの腫瘍性増殖機構
Project/Area Number |
11139255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中熊 秀喜 熊本大学, 医学部, 講師 (90207746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 辰哉 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (50244116)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | 発作性夜間血色素尿症 / 白血病 / 増殖異常 / インターフェロン / 1-8D遺伝子 |
Research Abstract |
PNHは造血幹細胞の変異に起因し、溶血、造血障害、白血病化など多彩な病態を呈するが、溶血以外の発生機構は依然不明である。その解明には病的クローンの細胞学的特性の解析が重要な手がかりとなる。PNHでは、一般人口に比し白血病発生が約千倍と高率であることや、病的クローンが正常細胞を凌駕して増殖することなどから、PNH細胞の特性の1つとして白血病類似の増殖異常が指摘される。事実、我々はPNH骨髄細胞のSCIDマウス移植実験でPNHクローンの内因性増殖異常を検出し(Blood87:4944,1996)、また腫瘍細胞によく観察されるアポトーシス耐性も検出した(Blood90:2716,1997)。そこで本研究では、PNHおよび正常細胞間で発現差のある遺伝子をDifferential Display(DD)法によりスクリーニングし、その中からPNHクローンの増殖異常を説明しうる遺伝子を同定し、その病的意義を確立することを目的とした。 まずDD法により健常人および患者由来リンパ球株細胞間で発現差のある遺伝子断片を約70個得た。その中で最も発現差のある遺伝子断片1個をクローニングし塩基配列を決定した。この情報を基に、血液細胞由来cDNAライブラリーを用いた5'RACE法によりcDNAの全塩基配列を決定した。その結果、本遺伝子はインターフェロンで誘導される既知遺伝子1-8D(Eur J Biochem 199:417,1991)とほぼ同一で、ロイシンジッパーモチーフを有する132アミノ酸残基からなる機能不明の蛋白質をコードすることが明らかとなった。本遺伝子発現の発現差は、複数の株細胞、多症例の末梢血Tリンパ球(免疫ビーズで90%以上に純化)や顆粒球でも認められたことから、本遺伝子の病的意義が強く示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)