細胞接着斑蛋白質Hic-5の細胞老化、がん化における役割
Project/Area Number |
11139264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
野瀬 清 昭和大学, 薬学部, 教授 (70012747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西谷 直之 昭和大学, 薬学部, 助手 (10286867)
真下 順一 昭和大学, 薬学部, 助手 (60054045)
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60245876)
大場 基 昭和大学, 薬学部, 助手 (70297018)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 細胞接着斑 / Hic-5 / パキシリン / 核移行 / 活性酸素 |
Research Abstract |
TGFβと過酸化水素で誘導されるhic-5遺伝子は、細胞接着斑蛋白質をコードし、Hic-5蛋白質は接着斑で多くのシグナル分子と複合体を形成している。Hic-5の発現は多くの癌細胞で消失しており、この遺伝子の強制発現は細胞のコロニー形成を抑制することから、hic-5は機能的に癌抑制遺伝子の一つと考えられる。Hic-5のアミノ酸配列はパキシリンと類似しているが、パキシリンにはこのようなコロニー形成抑制作用は見られない。今年度は、Hic-5の増殖抑制作用の分子機構を明らかにする目的で、この蛋白質の細胞内局在と相互作用因子および標的遺伝子の探索を行った。 Hic-5は正常繊維芽細胞では細胞接着斑に存在するが、酸化ストレスを与えると接着斑に局在していたHic-5は核へ移行した。直接の酸化ストレスではなく、サイトカラシンDやホルボールエステル処理によってもHic-5は核移行がみられたが、この移行は活性酸素消去剤により阻害されたので、刺激により細胞から発生される活性酸素が核移行のシグナルとなっていると考えられる。核移行に必要なドメインはHic-5のN-末端に存在し、この領域にはチロシンキナーゼFAKおよびチロシンホスファターゼPTP-PESTが結合する。しかしこれらとの結合は核移行に阻害的であり、核移行を正に調節する未知の因子が存在すると考えられる。 核移行シグナルペプチド(NLS)を付加したHic-5は細胞に発現させると無刺激でも核に集積する。このような発現ペクターを各種のレポーターと共にマウス繊維芽細胞に導入してレポーター活性を見たところ、c-fos,p21遺伝子エンハンサーが活性化されることが明らかとなった。パキシリンにはこのような転写活性化能は見られない。従がって、Hic-5は細胞膜から核へのシグナル伝達において、直接的制御を行う因子の一つと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)