膜結合型増殖因子proHB-EGFによるEGF受容体を介した情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
11139266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
岩本 亮 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (10213323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目加田 英輔 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20135742)
馬田 敏幸 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (30213482)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | HB-EGF / EGF受容体 / 膜結合型増殖因子 / ジャクスタクライン / Ectodomain shedding / LPA |
Research Abstract |
我々は、膜結合型増殖因子proHB-EGFによる細胞接着を介した細胞間情報伝達(ジャクスタクライン)機構のメカニズムとその生理的意義の解明を目的として研究を進めており、proHB-EGFがEGF受容体(EGFR)発現細胞に対して細胞増殖抑制・アポトーシス活性を有すること、EGFRの自己リン酸化領域の一部がこの現象に必須であることを最近明らかにした。また、proHB-EGFから分泌型sHB-EGFへの転換(Ectodomeinshedding)にPKC8結合性のADAMファミリーの膜結合型メタロプロテアーゼMDC9が関与していることも最近明らかにした。膜結合型と分泌型の活性が正反対であるような増殖因子の例は他に類を見ないものであり、EGFRが、同じリガンドの膜結合型と分泌型とで異なるシグナルをどのような機構で伝達するのかを明らかにすることが次の重要な問題となる。また、HB-EGFの膜結合型から分泌型への転換機構の解析は、異なった生理活性を持つ膜結合型と分泌型の増殖因子がそれぞれどのような制御機構で機能しているのかという生理的意義を明らかにする上で重要である。これらの事象をふまえ本研究では、proHB-EGFによるEGFRを介した増殖抑制・アポトーシスにおけるシグナル伝達について、特にEGFR発現細胞における機構を解析すること、また、proHB-EGFのEctodomainshedding機構について、これに携わる細胞外生理活性分子の探索とその解析を目的として行った。その結果、以下のことを明らかにした。 1.proHB-EGFによるEGFRを介した増殖抑制では、proHB-EGFが引き起こすEGFRの急速で持続的なダウンレギュレーションが原因となり、この過程に細胞内シグナル分子Cblが関与することがわかった。 2.HB-EGFの膜結合型から分泌型への転換を担う細胞外分子を探索し、リゾホスファチジン酸(LPA)を同定した。また、LPAの下流で機能する分子として、低分子量GTP結合蛋白質とRac1とMAPキナーゼキナーゼ(MEK1)を同定した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)