TGF-βスーパーファミリー受容体を介するシグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
11139269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
澁谷 浩司 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (30261324)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | TGF-β / Smad / BMP / SSXSモチーフ / Smad8 / Smad8B / 選択的スプライシング |
Research Abstract |
TGF-βファミリーは、細胞膜上のセリン/スレオニンキナーゼ型受容体に結合した後、Smad経路によって核へシグナルが伝達される。リガンドが受容体に結合するとシグナル特異的Smadは受容体によりリン酸化を受け、Smad4と結合し核移行する。シグナル特異的SmadのC末端には受容体によってリン酸されるSSXSモチーフが存在する。 本研究ではBMPシグナル伝達因子Smad8の選択的スプライシング産物Smad8BのBMPシグナル伝達系における役割を検討し、以下のことを明らかにした。 1)Smad8Bは、Smad8のC末端の47アミノ酸が異なる4アミノ酸に置換したタンパク質として、選択的スプライシングにより発現されていると予想された。Smad8とSmad8Bは様々な組織で発現しているが、その発現量の比は組織によって異なっていることが明らかになった。 2)Smad8BはSmad8とSmad4に特異的に結合し、また、BMPシグナルの存在に関わらず細胞質に局在することが明らかになった。 3)Smad8Bは、BMPシグナルによるSmad8の活性化と標的遺伝子の発現誘導を特異的に抑制することが示された。 以上の結果からSmad8Bは細胞質でSmad8やSmad4と複合体を形成し、Smad8の機能を特異的に抑制することによりBMP標的細胞のシグナル応答性を調節していることが示唆された。 このようにSmadはリン酸化による修飾だけでなく、スプライシングによる発現制御や分解を受けることによっても、シグナルの応答性の調節に関与していることが示唆される。今後、このような制御機構を考慮しながら、Smadの生理的な役割を検討していくことが重要と考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)