Bcl-2ファミリー分子による生殖細胞の腫瘍化および増殖・分化の制御
Project/Area Number |
11139281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
松居 靖久 大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 病因病態部門, 部長 (40241575)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | Bcl-2 / p53 / 精原細胞 / アポトーシス / 細胞増殖 |
Research Abstract |
本研究では、胎仔生殖細胞および精原細胞の細胞の生死、増殖の制御における、Bcl-2およびp53の役割を解明することを目的に、これら遺伝子を操作したマウスの生殖細胞の性質を解析した。まず、Bcl-2を過剰発現したトランスジェニックマウスの精原細胞を正常な精子形成環境をもつ精巣に移植することにより、精原細胞自身で発現したBcl-2がこの細胞に内在する機構を介して、その細胞死と増殖を抑制する働きがあることを明らかにした。また、精原細胞で機能するBcl-2関連遺伝子を同定することをめざして、これまでに報告された16種類の関連遺伝子の精巣での発現を調べたところ、全ての発現が検出され多くのBcl-2関連遺伝子が精原細胞で機能していることが示唆された。一方、胎仔生殖細胞の細胞死におけるp53の働きを明らかにする目的で、まず胎仔生殖巣でのその発現を調べたところ、16.5日胚以降の精巣で特異的に発現していることを見い出した。さらに、p53ノックアウトマウスと正常マウスで細胞死を起こしている生殖細胞数をTUNEL法により比較したところ、p53の発現パターンに対応し、卵巣および16.5日胚までの精巣では差はなかったが、それ以降の精巣では正常マウスではノックアウトマウスにくらべて細胞死を起こしている生殖細胞が2.5倍程度多く、この時期特異的にp53が関与する機構により細胞死が誘導されることが明らかになった。また、生殖細胞腫瘍のモデル動物を作ることをめざして、ともに生殖細胞の細胞死が抑制させるBcl-2トランスジェニックマウスとp53ノックアウトマウスと交配したが、得られたマウスではBcl-2トランスジェニックマウスの精巣と同様の表現形を示し、また精巣内に腫瘍を形成することはなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)