非ストレス負荷ヒト癌細胞におけるCa^<++>依存性ユビキチン化を介する野生型p53の分解とその抑制機構
Project/Area Number |
11140223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中島 琢磨 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (90256678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 信夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (60089951)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | p53 / ユビキチン / Ca^<++>依存型 / Mdm2 / UbcH5 / ストレス / 癌 / E2F |
Research Abstract |
非ストレス負荷ヒト癌細胞では、細胞の増殖を抑制しさらに細胞死を誘導する野生型p53のレベルは主に分解系により抑制されている。p53の分解に関与する内在性因子としてはユビキチンリガーゼ(E3)Mdm2とユビキチン結合酵素(E2)UbcH5を含むユビキチン系、Ca^<++>依存性蛋白分解酵素カルパインが報告されている。しかしMdm2、UbcH5はそれぞれp53誘導性およびストレス誘導性で、非ストレス負荷細胞では発現レベルが極めて低く、カルパインはストレスの負荷に関わらず活性が低い。これに対し我々が先に報告したCa^<++>依存性のp53ユビキチン化は非ストレス負荷細胞で著しく強い。従って非ストレス負荷細胞ではCa^<++>依存性ユビキチン系が野生型p53の主要な分解系と推定される。本年度はこのユビキチン系酵素群の検索、当該ユビキチン系の活性を抑制する機構の検索を行い、以下の諸点を明らかにした。 1.p53欠失ヒト培養細胞(Saos-2株)抽出液中の野生型p53に対するCa^<++>依存性ユビキチン化の活性は、野生型p53発現細胞(KB株)に比べ極めて微弱である。 2.細胞抽出液中での野生型p53のユビキチン化は、細胞へのストレス負荷に関わらずユビキチン結合酵素UbcH5の添加によって促進される。 3.ユビキチンリガーゼの内SCF、VCB-like両複合体ファミリーは野生型p53のCa^<++>依存性ユビキチン化に関与する可能性は低いと推定される。 4.p53のCa^<++>依存性ユビキチン化が、Ca^<++>依存性に起こるp53の脱リン酸化とユビキチン化という2段階に分離するかどうか検討したが、現時点では分離できることを示唆する結果は得られていない。 5.p14^<ARF>の発現誘導に関与すると推定されるE2F1、および新規HLH型E2F1結合因子E2FBP1の高発現はCa^<++>依存性p53ユビキチン化を相加的に抑制する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)