Bax遺伝子導入による癌細胞の抗癌剤感受性増強とその腫瘍特異性遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
11140229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小林 透 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (00144246)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | Bax / apoptosis / 遺伝子治療 / 抗癌剤感受性 / cytochrome c / KATO-III / K562 / DLD-1 |
Research Abstract |
本研究において以下の点を明らかにした。 1.胃癌細胞株KATOIIIにBax・コントロール・Bcl-2発現ベクターを安定導入した細胞株を作製し、抗癌剤(5-fluororacil,doxorubicin,paclitaxel)に対する感受性を検索した。Bax安定導入株は高感受性を示し、Bcl-2安定導入株は耐性であり、この機序としてmitochondriaからのcytochrome c放出レベルの相違がWestern blotで示された。 2.Bax過乗発現のみによるapoptosis誘導はBax遺伝子にmutationをもつJurkat細胞で報告されているが、野生型Baxをもちproapoptotic Bax蛋白を発現している白血病細胞株K562においてもapoptosisが誘導されることをTet-On systemによるBax発現系安定導入にて証明した。この系でのapoptosisはpancaspase inhibitor(zVAD-fmk)により阻害され、cytochrome cを介しないcaspase活性化経路が示唆された。 3.proapoptotic Bax蛋白を発現している大腸癌細胞株DLD-1にTet-On systemによるBax発現系を安定導入した細胞ではBax発現誘導のみでは10数%のapoptosisしか誘導できなかったが、apoptosisの機序はcytochrome cを介していると考えられ、抗癌剤(5-fluorouracil,cisplatinum,paclitaxel,doxorubicin)によるapoptosisは、Bax過剰発現時はコントロールに比べ増幅された。 以上のことよりBax遺伝子導入による癌細胞の抗癌剤感受性増強効果は、親株のBax遺伝子の性状にかかわらず、またBax過剰発現のみによるapoptosis誘導効果のレベルにかかわらず認められることが確認され、Bax遺伝子の腫瘍特異性遺伝子治療への有用性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
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