転写調節因子NFκBの不活性化による放射線抵抗性がんの感受性化機構
Project/Area Number |
11140236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮越 順二 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70121572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 亮 京都大学, 医学研究科, 助手 (50314183)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 放射線感受性 / 遺伝子導入 / NF-κB / I-κBα / 脳腫瘍細胞 / リン酸化 |
Research Abstract |
ヒトがん細胞の放射線感受性は正常細胞に比べて幅広く分布している。このことは、がん細胞では放射線感受性を支配する内因性因子の変化によるものと推測される。 本課題は種々の遺伝子発現に深く係わっていると考えられるNF-κBの機能を調節しているI-κBα遺伝子の導入により、分子レベルにおける細胞の内因性放射線感受性を支配している機構を解析しようとすることである。 放射線抵抗性脳腫瘍細胞にNF-κBの阻害蛋白であるI-κB遺伝子をmutant type(非リン酸化型として)導入し、以下の知見を得た。 1.I-κBα遺伝子のリン酸化部位(32および36番のセリン、42番のチロシン)のアミノ酸を塩基置換により変更し、このcDNAを発現ベクターpcDNA3に組み込んで、この発現プラスミドを作成した。 2.これらリン酸化阻害I-κBαの発現プラスミドをヒト脳腫瘍由来細胞(MO54)に導入し、得られたクローンの放射線感受性化の程度を調べた結果、両セリンの置換(Sと略す)ならびにチロシンの置換(Yと略す)で放射線感受性化がさらに増し、これらすべてのリン酸化阻害によって、最も著しい放射線感受性化が認められた。 3.放射線照射後の核分画におけるウエスタンブロットでみたNF-κB(p65/RelA)量は、親株で急速な増加が観察された。しかし、非リン酸型I-κBαを導入したクローンでは照射後もNF-κB量は低レベルを保持した。 4.照射後p65抗体で免疫沈降し、I-κBαとNF-κBの複合体を調べた結果、親株ならびにそれぞれのクローン間における放射線感受性化とは反比例的に複合体量は減少した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)