部位指向性酵素分子設計による抗ガン剤副作用軽減法の開発
Project/Area Number |
11140268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
井上 正康 大阪市立大学, 医学部, 教授 (80040278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 英介 大阪市立大学, 医学部, 助手 (60211942)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | がん病態 / シスプラチン / 副作用 / 腎不全 / ミトコンドリア / アポトーシス / SOD / カルニチン |
Research Abstract |
各種抗ガン剤や放射線療法の副作用では活性酸素毒性が主役を演じ、これが制ガン剤使用限界や放射線照射量の制限因子となっている。抗ガン剤により発生する活性酸素は細胞障害を介してスーパーオキシドを発生させ、二次的に病態を憎悪する。したがって、ガン化学療法では腫瘍組織以外の活性酸素病態を如何に阻止軽減するかが重要である。本研究は、腎をはじめとする特定の組織細胞局所でスーパーオキシドを選択的に消去する部位指向性SOD誘導体を開発し、本分子種と瞬時に反応するNOの局所作用を制御し、ガン化学療法の副作用を阻止軽減する新治療法を開発することを目的として行われた。解析の結果、1)腹水肝ガン細胞移植動物にシスプラチンを腹腔内投与すると、ガン細胞のみならず、腎尿細管細胞のミトコンドリアも早期に脱分極しでDNAが傷害され、チトクロ―ムc遊離によりアポトーシスを起こし、腎不全により副作用死した。解析の結果、本ミトコンドリア毒性は、活性酸素-Ca++系によるホスホリパーゼA2(PLA2)活性化により遊離した脂肪酸に起因することが判明した。 2)この際、腎尿細管細胞に特異的に濃縮動員される腎指向性SODを静脈内投与すると、ガン細胞死に影響することなく腎尿細管細胞のアポトーシスと腎不全が抑制され、60%の担ガン動物が完全緩解した。 3)解析の結果、シスプラチンは消化管でも同様のミトコンドリア障害を誘起し、強い消化管障害が副作用死の原因でもあることが判明した。また、脂肪酸をミトコンドリアのβ酸化反応に動員するカルニチンが、腎及び消化管のミトコンドリア障害を強く抑制した。腎指向性SODとカルニチンの併用が劇的な副作用死抑制につながることが判明したので、ガン化学療法と活性酸素代謝制御法併用の医学的有用性を検討しつつある。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)
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[Publications] Utsumi, K., Takchara, Y., Inai, Y., Yabuki, M., Kanno, T., Nishikawa, M., Sato, EF., Inoue, M.: "Mitoshondria, Oxidants, and Asing"Academic Press. 57-71 (1999)
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