Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Research Abstract |
免疫制御の中枢的役割を演じるTh1,Th2細胞の抗腫瘍免疫における役割を以下の方法によって世界に先駆け明確にすることができた。 1.抗原特異的なTh1およびTh2細胞を用いた養子免疫療法モデルの確立:Th1,Th2細胞をOVA特異的TCRトランスジェニックマウスから誘導し、A20,BリンフォーマOVA遺伝子を導入したA20-OVAに対する抗腫瘍活性を生体内で検討する。 2.RAG2-/-マウスを用いたTh1,Th2細胞媒介腫瘍メカニズムの解析:A20-OVA担癌RAG2-/-マウスを用いてTh1,Th2細胞による抗腫瘍効果を検討して、DC8+T細胞の要求性を明らかにする。 3.Th1,Th2細胞の腫瘍組織への浸潤に重要な接着分子の検討を行う。 その結果、抗原特異的Th1,Th2細胞はいずれも強いin vivo抗腫瘍活性を示すが、その作用機序は異なることが明らかにされた。すなわち、Th1はリンパ球浸潤をともなった細胞性免疫で腫瘍を拒絶したが、Th2は好酸球の浸潤をともなった炎症反応で腫瘍壊死を誘導した。RAG2-/-マウスを用いた実験からTh1,Th2細胞の抗腫瘍発現には、宿主のCD8+T細胞が不可欠であることも示された。さらに、Th1細胞療法においてはLFA-1/ICAM-1接着分子が不可欠であるが、Th2細胞療法においてはLFA-1分子を必要としないことが証明された。Th1細胞によって完治したマウスからは腫瘍特異的CTLが誘導されたが、Th2で完治したマウスからはCTLが誘導されなかったことから判断して、将来的にはTh1主導免疫増強法の開発が新しい癌免疫法の開発に有用と考えられる。
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