昆虫複眼のマスターコントロール遺伝子eyelessによる器官特異性の決定機構
Project/Area Number |
11142203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
倉田 祥一朗 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (90221944)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | eyeless遺伝子 / 器官形成 / マスターコントロール遺伝子 |
Research Abstract |
これまでに昆虫の主な成虫器官である複眼,触覚,翅,肢を用いて,器官の特徴を決める多種の遺伝子の発現を,より上位で制御するそれぞれのマスターコントロール遺伝子の発現が,Notchシグナリングを中心とした共通の機構で制御されていることを明らかにしている. 本研究では,この共通機構からどのようにして器官の特異性が確立するのか明らかにするために,複眼を決定するeyeless(ey)遺伝子に着目し,(1)異所的発現系を用いて,複眼と触角をそれぞれ決定するey遺伝子と,Dll遺伝子・Exd遺伝子同士による相互の発現抑制が,複眼と触角の特異性を決めることを明らかにした.そしてこの特異性発現へ向けて、背側と腹側からのシグナル(dppとDorsal)が最初の違いを生むと予想していたが、活性化型dppレセプターを用いた実験から,背側と腹側からのシグナルだけでは、その特異性発現に不十分であることを示唆した.(2)ey蛋白には,二つのDNA結合部位,ペアードドメイン(PRD)とホメオドメイン(HD)が存在するが,ミュータントey蛋白の異所的発現系を用いて、それらには機能的な違いがあり,PRDが複眼への特異性発現を誘導し,HDが他の器官への特異性発現を抑制する働きを持つことを示した.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)