Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
【目的】線虫Caenorhabditis elegansの生活環には生存に不利な環境に応答して一時的に休眠する「耐性幼虫形成」と呼ばれる現象が知られている。本研究の目的は,線虫C.elegansの休眠機構の解明することにより昆虫類にも共通する重要な知見を得ることである。そこで本研究では,休眠の鍵分子であるDAF-2(insulin/IGF-I受容体ホモログ)のリガンド分子の探索と解析を行った。 【実施内容】ミックスステージのRNAを調製しノーザン解析を行ったところ,Ceinsulin-2はCeinsulin-1の10倍程度の発現量を示した。また,ペプチド画分についてウェスタンブロット解析を行ったところ,Ceinsulin-1はC-domainを有するIGF型分子であることが明らかとなった。しかし,(1)D-dimainが極めて短いこと,(2)E-domainを有さないこと,(3)高次構造がinsulinと類似していることから,分子としては中間の形状を有すると考えられる。さらに,RNAiによる機能解析を行ったところ,Ceinsulin-1および-2の転写阻害により生育阻害および子孫の数の減少が認められた。また,新しい分子種としてCeinsulin-3を同定した。Ceinsulin-3mRNAは異常な転写後修飾によって生産され,推定されるアミノ酸配列はCeinsulin-1および-2と極めて低い相同性(約15%)を示し,また,長鎖のD-domainを有していることが判明した。Ceinsulin-3はCeinsulin-1および-2と異なる分子種と考えられる。
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