大腸菌ミニFDNA複製制御機構:イテロンによるDNA複製阻害とその解除機構の解析
Project/Area Number |
11143206
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田 千恵子 京都大学, ウィルス研究所, 助教授 (10175698)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | DNA複製開始制御機構 / incC変異体 / ミニFプラスミド / ori2-RepEとincC-RepE間の架橋構造 |
Research Abstract |
1)ミニFプラスミドのDNA複製調節機構 大腸菌を宿主として複製するFプラスミドは染色体あたり1〜2個のコピー数で厳密に調節されている。ミニFのDNA複製開始にはFプラスミドの複製開始領域(ori2),複製開始因子(RepE)と宿主染色体のDNA複製開始に必須な宿主蛋白質群が必要である。それらに加えて、分子シャペロン(DnaK,DnaJ,GrpE)を必要とすること、これらは複製開始因子として不活性な二量体RepE(repE遺伝子のリプレッサー機能を持つ)を活性な単量体に変換する役割を担っていることを我々は明らかにした。また活性RepEの細胞内量とincCイテロンはDNA複製開始調節において重要である。incC領域は約300塩基対からなり、複製開始蛋白質が結合する19塩基対(イテロン)からなるイテロンが5個並んでいる。これらは複製開始領域(ori2)にあるイテロンとほぼ同じ構造である。incC領域はori2に対してシス位置にあるときはFプラスミドのコピー数調節の機能、トランスにあるときは不和合性を示す。これらのDNA複製抑制機構を明らかにした。incCイテロンがミニFのDNA複製開始を抑制すること、ori2,incCイテロンにRepEが各々結合し、結合RepEを介してcross-link構造が作られること、この構造が新たな複製開始複合体の形成を阻害することにより新たなDNA複製開始が抑制される可能性が考えられた。さらにCross-link構造形成にはRepEの二量体形成ドメインが係わっていることやRepE-イテロンの正常な結合様式が必要であることを明らかにした。in vitroのDNA複製系でincCイテロンの阻害効果を調べた。その結果は他の実験データとも合わせ考えると正の制御因子の存在を示唆した。このようなDNA複製の調節機構はFプラスミドに限らず、Fプラスミド類似のプラスミド、バクテリアやある種のDNAウイルスにもみられ、共通の機構で理解出来ると考えている。 2)RepE54-Iteronの共結晶構造 DNA複製開始蛋白質としては初めての結晶構造解析に成功した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
-
-
-
[Publications] Komori, H., Matsunaga, F., Higuchi, Y., Ishiai, M., Wada, C., and Miki, K.: "Crystal structure of a prokaryotic replication initiator protein bound to DNA at 2.6 Å resolution"The EMBO. 18. 4597-4607 (1999)
-