Project/Area Number |
11144246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
遠藤 昌吾 理化学研究所, 記憶学習機構研究チーム, 研究員 (60192514)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 記憶 / 学習 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
無脊椎動物アメフラシは記憶学習のモデルとして行動レベルから分子レベルまで様々なレベルでの研究に用いられている。アメフラシのサイホンの引き込み反射における感作は非連合学習の行動モデルとして多くの研究がなされてきた。本研究ではアメフラシの感作に着目し、感作を支える分子機構に関与すると考えられるプロテアーゼの解析を行った。 我々はapTBL-1と呼ばれるプロテアーゼのmRNA量がアメフラシの感作に伴って増加することを発見し、さらに、その下流の因子として成長因子TGF-βの関与を明らかにした。この系は脊椎動物の形態形成においても重要な役割を果たしていることから、アメフラシの記憶学習機構に成長分化と類似の機構が働いていることが示唆された。今回、TGF-βの下流で働くと考えられるアメフラシMMP(matrix metalloprotease)類の特徴付けを行い、さらに、アメフラシの感作を引き起こす刺激によりMMP活性が増加することを見い出した。アメフラシ神経節の細胞外マトリックス画分には、ゼラチンザイモグラフィーでMMP2に類似する分子量約7万の分子が、また、カゼインザイモグラフィーでストロメライシンに類似する分子量約4万の分子が存在した。いずれの活性も金属キレート剤により強く阻害され、4-aminophenylmercuric acetateによる前処理で低分子量に対応する分解活性が増加し、脊椎動物で示されている自己分解による高分子量前駆体からの低分子量活性分子の生成を示唆している。 感作を引き起こすセロトニン、TGF-β処理でカゼイン分解活性は3時間後では約2倍に(セロトニン、195±12% ; TGF-β、206±12%)、24時間後でも40-50%の増加が観察された。しかし、これらの刺激により分子量7万のゼラチン分解活性は変化しなかった。脊椎動物のMMP活性は細胞外マトリックス再構築と密接な関連がある事から、感作に伴って観察されている神経細胞の形態変化にアメフラシMMPの活性変化が重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)