Project/Area Number |
11145201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福島 菊郎 北海道大学, 医学部, 教授 (70091486)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | サル / 視線運動 / 滑動性眼球運動 / 前庭動眼反射 / 視標速度 / 小脳虫部 / 補足視野 |
Research Abstract |
ゆっくり動く物体からの視覚情報を適切に取り込むために滑動性追跡眼球運動が必要であるが、実際の運動中は頭部が頻繁に動く状態で視標追跡運動が行われるため滑動性眼球運動は必然的に前庭動眼反射系と干渉を起こして視線信号を形成する。今回は、この両運動の干渉系における視線信号の形成に、小脳虫部と補足視野がどのように関わるかを調べるため、これらの領域に再現される信号の性質を、訓練した日本サル3頭を用いて調べた。小脳虫部で滑動性眼球運動に応答した42個のプルキンエ細胞活動を、滑動性眼球運動、前庭動眼反射抑制課題、前庭動眼反射(×1)課題を用いて調べた。その結果、虫部の滑動性眼球運動に応答したプルキンエ細胞は殆どすべて、前庭動眼反射抑制課題にも応答し、両課題における最適応答方向はあらゆる方向を向いていた。個々の細胞について応答特性を詳細に調べると、約半数の細胞は、滑動性眼球運動と前庭動眼反射抑制課題における最適応答方向がほぼ一致し、両課題における個々の細胞の応答の大きさは有意に相関したが、前庭動眼反射(×1)課題と有意の相関を示さなかった。また、滑動性眼球運動中に短時間(200ms)指標を消して追跡運動をさせた場合でもニューロン応答はほぼ維持された。これらの結果は、虫部の応答が、前回調べた前頭眼野の応答と類似することを示す。補足視野からの記録は現在進行中であるが、滑動性眼球運動と前庭動眼反射抑制課題に応答し、前庭動眼反射(×1)課題には応答せず、視線速度に有意の相関を示す細胞が記録されている。以上の結果は、滑動性眼球運動と前庭動眼反射の干渉系における視線信号の形成には、複数の脳領域が関わり、すでに前頭葉眼球運動関連領域で視線信号が形成されていることを示唆する。
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