Project/Area Number |
11145204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川島 隆太 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (90250828)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | ヒト / 局所脳血流量 / ポジトロンCT / 視覚 / 体性感覚 / クロスモダルマッチング / 運動前野 |
Research Abstract |
ヒトにおける視覚-体性感覚の異なったモダリティー間での情報の統合に関する処理機構を明らかにした。右利き若年男性健常被験者9名を対象とした。局所脳血流量をポジトロンCT装置を用いて計測した。課題は、視覚-視覚課題(VV)、体性感覚-体性感覚課題(SS)、視覚-体性感覚課題(VS)、体性感覚-視覚課題(SV)、を行わせた。被験者の右手の親指と人さし指に、仮想空間上で物体を触知できる反力装置の指サックを装着させた視覚刺激として直径の異なる円柱を作成した。また体性感覚刺激として、同じ円柱の前面にスクリーンを設置し円柱は把握可能だが直接は円柱は見えない刺激を作成した。 右前頭前野と左小脳後葉外側は、全ての課題で賦活される傾向にあった。これらの領域は、作動記憶やマッチングに関与すると考えられた。右背側運動前野は、VS課題に特異的に活動を示した。異なったモダリティー情報が交錯するマルチモダル領域である可能性を考えた。右腹側運動前野は、SS課題とVS課題でのみ活動を示した。知覚している体性感覚情報を、他の情報と比較することに関与すると考えられる。頭頂間溝領域前部は、SS・VS・SV課題で賦活した。この領域は体性感覚情報処理に関与していると考えられた。下側頭溝領域はVV課題とVS課題で賦活を示した。視覚情報の作動記憶に関与すると考えられた。 視覚と体性感覚のクロスモダルマッチングは、先にどちらの情報を作動記憶に貯えるかにより、2つの異なった経路により処理されることが示唆された。まず体性感覚情報を記憶しこれを視覚情報と比較する時には、それぞれのモダリティー情報を処理する領域の活動のみが必要で、情報はその領域間をもれ伝わるとの仮説、そして視覚情報を記憶しこれを体性感覚情報と比較するときには、モダリティー特異的な情報処理領域の他に、マルチモダル領域で情報処理が行われるとの仮説を示唆した。
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