Project/Area Number |
11145206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
二見 亮弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20156938)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 抑制後リバウンド電位 / H-H方程式 / 神経振動子 / ダイナミクス / 短期記憶 / 時系列パターン |
Research Abstract |
脳の神経回路の活動レベルは抑制性細胞によって調節されると考えられているが,抑制性細胞のシステムレベルでの働きについて十分な理解は得られていない。本研究では,海馬などで見られる抑制後リバウンド(PIR)電位の機能に解釈を与えるため,発火潜時に注目した神経興奮膜のシミュレーション解析を行い,PIR発火による神経振動子がパターン情報の短期的保持に関わる興味深い性質を持つことを明らかにした。モデルとしては,EPSPとIPSPを作るチャネルを追加したHodgkin-Huxley方程式を用いた。 我々はまず,IPSPの時定数(持続時間)が数ms程度と短い場合,PIR発火の発火潜時がIPSPの振幅に大きく依存しないという特徴を見出した。次に,2個の神経細胞を強い相互抑制で結合したPIR神経振動子2組からなる結合振動子系を構成し,各神経振動子に与えたトリガー刺激の時間差が,その後の持続的振動の過程でどう時間発展するかを調べ,小さな初期時間差が拡大される条件を見出した。次に,上の結合振動子系を多数の神経振動子からなる系に拡張し,以下のことを明らかにした。 1.各神経振動子に異なる時刻で初期刺激を与える場合,時間的に隣接して刺激された振動子間の発火時間差が常に正または0となるようなパラメータ設定が可能である。また,時間差が振動周期の数10倍以上の時間に亙ってゆっくりと変化して平衡状態に収束する場合がある,すなわちアナログ情報を長時間保存できることがある。 2.上と同様の初期刺激に対して,振動子間の発火時間差が常に正のままで周期的または概周期的に時間変化する場合があり,この時には「一部の振動子間の発火時間差が0となることで外部刺激の順序が失われること」がなくなり,結果的に順序の記憶機能が増強される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)