脳におけるシンボル処理:連続量状態遷移による迷路パスの実時間探索の脳モデル化
Project/Area Number |
11145213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大森 隆司 東京農工大学, 工学部, 教授 (50143384)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 連想記憶 / 状態遷移 / 連続量 / PATON / 移動ロボット / 学習 / 推論 / メトリック |
Research Abstract |
本研究は、脳におけるシンボル処理の構成的な研究として、記憶モデルPATONでの迷路パスの探索問題の解法を発見し、それによって動物の脳でも可能なシンボル処理の内容と実体のモデル化を試みる。 パス探索課題は、環境地図の経験に基づく構築と、環境地図内での推論(状態遷移的な離散状態遷移の予測とその結果の評価のサイクル)の二つのタスクに分解される。そこで我々は、記憶モデルPATONのもつ競合学習的な認識能力に疲労による反応性の鈍化の項を付加し、それによって反応領域を均等の分割する自己組織的な入力パターンの離散化(シンボル化)を実現した。さらに、各シンボルにその時の多様な感覚入力を連合させることで、各感覚入力がもつ類似性に基づく空間探索機能を実現できることを示した。その結果、空間中の各場所はそれに対応したシンボル細胞をもち、さらに場所の間の行動による移動はシンボル細胞間の離散状態遷移によって表現できた。そして、二つの場所の間の感覚パターンの類似性を基準にした記憶の想起・平均化と認識のサイクルを実現すると、二つの場所の中間点を一撃の記憶想起で探索する記憶探索が実現できること、その探索の反復によって二つの場所の間の移動パスが高速に検出できることをしめした。 これらの研究より、感覚パターンを表現する大脳皮質領野と海馬的な直交符号化の機能を持つ領野を連合させることで、通常はシンボル処理と考えられているパス探索が動物でも解きうることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)