Project/Area Number |
11145230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 文隆 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00202044)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ACh / 皮質内情報処理 / ムスカリニック / ニコチニック / 入力由来依存性 / 皮質内由来入力 / 視床由来入力 / 光学的計測 |
Research Abstract |
大脳皮質には前脳基底部よりアセチルコリン(ACh)含有繊維の密な投射を受けるが、皮質内情報処理をAChがどのように制御するかについては未だに不明な点が多い。研究代表者は以前に培養細胞を用いた実験において、AChがEPSP,IPSPをほとんどの例において抑制することを見いだした。本実験ではこの結果に基づき、AChが皮質内で興奮伝播を強く抑制する可能性を検証する目的で行った。実験はラットの皮質視覚野から切片標本を作製し、膜電位感受性色素を用いた光学的計測により、興奮伝播を観察し、ACh投与のよる効果を判定することにより行った。また、同時に電場電位を記録し、光学的計測により得られた結果が電気生理学的にも裏付けられるかどうかも検討した。その結果、AChは白質刺激による興奮を全層にわたり抑制したが、その程度はIV層を中心とする中間層で最も弱いことが判った。しかしながら、II/III層刺激に対してはどの層も同程度に抑制した。また、この抑制はムスカリニック受容体を介してシナプス前性であることも明らかとなった。さらに、白質刺激に対してはニコチンの投与により、促通作用をもつ例を記録することができた。すなわち、皮質内入力とは対照的に視床由来の入力に対してはAChは促通作用を持つ可能性が示された。これより、AChは皮質内で入力の由来に応じてその効果が異なることが考えられる。つまり、前脳基底部由来のコリン作動性細胞は皮質細胞に対して、上行性繊維由来入力を皮質内由来入力に対して相対的に優位にする作用を持つことが示唆された。
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