Project/Area Number |
11146214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
清水 憲二 岡山大学, 医学部, 教授 (10037286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堺 明子 岡山大学, 医学部, 助手 (60205698)
藤原 田鶴子 岡山大学, 医学部, 助手 (70108166)
大内田 守 岡山大学, 医学部, 助教授 (80213635)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | E2F4遺伝子 / マイクロサテライト不安定性 / hMSH3遺伝子 / ミスマッチ修復 / フレームシフト変異 / DNAポリメラーゼ遺伝子 / 組み換え修復遺伝子 |
Research Abstract |
【緒言】本研究では、独自に開発した遺伝子全領域同時SSCP法などの解析法を用いて、大腸癌や胃癌などのうち遺伝的不安定性を示すものを中心としてミスマッチ修復機構の欠損とその標的遺伝子変異への効果、修復欠損を起こす原因となった初発遺伝子異常はどのようなものかなどを明らかにすることを目的とした。 【方法】1,研究検体の確保のため今までに約1,000例の腫瘍/正常組織を含む腫瘍バンクを設立した。 2,微小な遺伝子異常検出法として遺伝子全領域同時SSCP法と蛍光標識マイクロサテライト(MS)解析法を開発し、癌に関係する遺伝子の異常解析を行った。 【結果】これまでの本研究により、マイクロサテライトの不安定性(MI+)を示す胃癌と大腸癌の約37%に転写活性化因子で癌遺伝子ともなりうるE2F4のエキソン内マイクロサテライト変異を見い出した。またE2F4変異を持つ癌の80%以上が修復遺伝子であるhMSH3のエクソン内に1塩基フレームシフト変異を持つことを明らかにし、これらの癌ではE2F4遺伝子がhMSH3遺伝子の関与するミスマッチ修復機構の欠損の標的であることを初めて報告した。昨年度の研究で、変異型E2F4遺伝子をNIH3T3細胞で発現させると著明な増殖促進が見られることを明らかにしていたが、この効果は変異型E2F4による転写の活性化が上昇したことによることを本年度確認した。これらhMSH3,E2F4両遺伝子の変異を遺伝性非腺腫性大腸癌(HNPCC)と散発性大腸癌とで比較したところ、HNPCCではこれらの変異が有意に低く、また変異の形式がリピート数の減少を主にしており、散発性癌と大きく異なっていた。散発性のMI+癌における修復遺伝子欠損変異の成因を解明するために、DNAの修復と複製に関わるDNAポリメラーゼδ,εとPCNAなどの遺伝子の癌特異的変異を検索したが、有意な結果は得られなかった。しかし共同研究によって、DNAのミスマッチ修復に関わると思われるDNAポリメラーゼβ遺伝子の癌特異的変異を6例の胃癌において発見し、その変異は除去修復能を失活させることを報告した。また、食道癌などの検体で見られた染色体17番長腕の微小な欠失領域中にDNAの組み換え修復に関与する遺伝子が局在することをごく最近見い出した。この知見はDNAの組み換え修復に重要な役割を果たす遺伝子の半数化または異常が癌化の前提条件としてのゲノム不安定性に関与する可能性を示唆するものと考えられ、重要な発見であるため、本課題研究期間終了後も引き続き解析する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)