哺乳動物細胞におけるDNA複製および障害チェックポイント機構の解明
Project/Area Number |
11146217
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中西 真 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (40217774)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 細胞周期 / チェックポイント / Cdc25 / Chk1 / Cds1 / Cdc2 / 細胞分裂 / DNA障害 |
Research Abstract |
分裂酵母において様々なチェックポイント機構に重要な役割を果たしていると考えられているChk1およびCds1の哺乳動物細胞における作用機構を解明するためにhChk1およびhCDS1の各細胞周期チェックポイントにおけるタンパク質修飾を調べたところ、ヒトChk1はいかなるDNA傷害にも反応せず、その活性に変化を認めなかった。興味あることにヒトChk1はアフィディコリン処理によるDNA複製阻害に反応してリン酸化を受けることが分かった。Cds1はChk1と異なり、正常繊維が細胞およびHeLa細胞においてはすべてのDNA傷害に反応してリン酸化を受けて活性化した。しかしながら、ATM欠失細胞においてはUVおよびMMSによるDNA傷害には反応するが、X線によるものには全く反応しなかった。このことはATM欠損患者の臨床症状とよく一致する。ヒトCds1の発現を各種ガン細胞を用いて調べたところ、p53欠失ガン細胞ではCds1の発現が高く、正常p53を有するものではCds1の発現が非常に低いことが分かった。Cds1の発現はOncoproteinで形質転換すると強く誘導されることが分かった。さらに野生型p53発現アデノウイルスをこれらの細胞に感染させたところ、SV40 largeT抗原およびE6により誘導されたCds1の発現は強く抑制されたがE7により誘導されたものは影響を受けなかった。Chk1ノックアウトマウスの作製とその解析を行ったところ、Chk1ノックアウトマウスは胎生初期に致死的であった。E3.5日卵の解析からChk1ノックアウト卵では異常核を認めた。この異常核はDNA複製阻害において増強されたが、DNA傷害では増強されなかった。哺乳動物細胞においてChk1はDNA複製チェックポイントを、Cds1はDNA傷害チェックポイントをそれぞれ抑制すると考えられた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(13 results)