ヒト細胞DNA中の8-ヒドロキシグアニン除去修復機構に関する研究
Project/Area Number |
11146224
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
横田 淳 国立がんセンター研究所, 生物学部, 部長 (10191503)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 8-ヒドロキシグアニン / OGG1遺伝子 / 自然突然変異 / DNA修復 / 肺がん / 遺伝子多型 / DNAグリコシラーゼ / 患者対照研究 |
Research Abstract |
活性酸素によって生じる8-ヒドロキシグアニン(oh8Gua)はDNA中でアデニンとも塩基対を形成するため強い突然変異原性を有する。ヒト細胞DNA中のoh8Guaを除去修復する酵素遺伝子として、我々は酵母OGG1のヒト相同遺伝子を短離し、その除去修復機構、発がんへの関与について検討を行ってきた。本年度は、RT-PCR法により、ヒトOGG1の13のアイソフォーム(1a-1h、2a-2e型)を同定し、また、新規に作製した2種類の抗ヒトOGG1抗体を用いたウェスタンブロット法にて、1a型蛋白質が、肺がん腫瘍細胞株、抹消血リンパ球に共通して発現する主要なアイソフォームであることを明らかにした。抗ヒトOGG1抗体を用いた免疫染色では、1a型蛋白質は主に核に検出され、1a型が核DNAのoh8Gua修復に関わることが示唆された。また、この1a型をコードするOGG1遺伝子には、アミノ酸変化(Ser326/Cys326)を伴う一塩基多型が存在し、日本、中国、コーカサス等の人種において頻度の高い多型であることを明らかにした。大腸菌のoh8Gua修復酵素欠損株を用いたcDNA導入による相補性試験では、Cys型はSer型に比べ自然突然変異抑制能が低く、Cys型の低除去修復活性が示唆された。そこで、Cys型の肺発がんへの関与を明らかにするため、沖縄の男性肺がん患者241人と、対照として非がん患者群197人で、Ser326Cys多型分布を比較検討した。ロジスティック回帰分析により年齢、喫煙歴を調整したオッズ比を算出すると、Cys/Cys型のヒトは、Ser/Cys型とSer/Ser型のヒトより肺扁平上皮がんの危険率が高い(オッズ比:3.01)ことが明らかにされた。以上より、Ser326Cys多型が肺扁平上皮がんの発がん感受性を規定する一要因であることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(9 results)