Project/Area Number |
11147207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 綾子 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (90272484)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | マラリア原虫 / ハマダラカ / 昆虫生体防御 |
Research Abstract |
「マラリア媒介蚊の非媒介化」の実現に向けて、ハマダラカの生体防御からの原虫の回避機構を解明するために、昆虫生体防御の転写制御因子に着目した以下の研究を行った。 (1)昆虫生体防御遺伝子の新たな転写因子SRAMの組織特異的発現 センチニクバエの生体防御遺伝子の転写制御因子、新たなrel-ankyrin familyの蛋白SRAM(Sarcophaga-derived Rel/Ankyrin molecule)の組織特異的発現を解析した結果、消化管に強く発現することがわかった。実際、その標的遺伝子は、全身性生体防御応答に働く脂肪体や体液細胞のみならず、中腸、唾液腺などの臓器においても発現することがわかった。 (2)蚊におけるSRAMホモログの同定・単離 ハマダラカホモログを単離するため、抗SRAM抗体により認識される蚊の蛋白を調べた結果、同分子量の蛋白を検出した。この抗体を用いて、蚊の唾液腺より作成された発現ライブラリー(自治医大・医動物教室より供与)から4つのホモログクローンが得られた。ただし、これらは全てC末端側のみを含むクローンのため、全長の単離には更なる解析が必要である。 (3)SRAMホモログの原虫感染時における発現 蚊の原虫感染時、非感染時により抗S-RAM抗体が認識する蛋白の発現部位及び量的な変動を調べた。蛍光抗体法により、原虫感染時に中腸でシグナルが検出された。このシグナルは、DAPl核染色から判断したOocystとは異なる部位に検出された。この結果は、原虫感染に伴い、この生体防御に働く転写因子の発現変動が生じたことを示唆している。唾液腺においてはシグナルは検出されるものの、中腸におけるような変化は見いだされなかった。なぜ、中腸においてこのような変化が生じたのかは興味深く、媒介蚊-原虫間における生体防御応答を解明するひとつの手がかりを得たと考えている。
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