マラリア原虫の病原性に係わる熱ショック蛋白質の機能
Project/Area Number |
11147219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
姫野 國祐 徳島大学, 医学部, 教授 (50112339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 洋一 徳島大学, 医学部, 助手 (10294670)
酒井 徹 徳島大学, 医学部, 助手 (40274196)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | マラリア原虫 / 病原性 / 熱ショック蛋白質 / HSP90 / 原虫感染 |
Research Abstract |
複雑な生活史を持ち、多様な抗原変異により、宿主免疫系からエスケープするとされているマラリア原虫においては、肝細胞内型のschizontやmerozoiteでは、原虫自体にHSP70が発現されることが知られている。しかし、このHSPがマラリア原虫のエスケープの手段として貢献しているか否かについては明らかではない。本研究では、マウスマラリア原虫Plasmodium berghei、P.yoeliiの強毒、弱毒株を用いて原虫HSP90の病原性への関与を検討した。ついでマラリアHSP90をクローニングし、さらにHSP90の結合蛋白の同定を行うこと等により、強毒株原虫のエスケープに係わるHSP90の発現機序および機能を探った。 今年度の成果は以下のごとくである。 1.免疫系の正常なC57BL/6マウスやBALB/cマウスは、マラリア原虫の弱毒株に感染した場合に一時的にparasitemiaが出現するが感染後3週間頃までに完治する。一方強毒株感染では3週間以内に全て感染死する。 2.弱毒株が感染したC57BL/6マウスやBALB/cマウス赤血球から回収した原虫はHSP90の発現は弱いが、強毒株の感染後回収した原虫にはHSP90の非常に強い発現が見られる。 3.ところが強毒株でもSCIDマウスに感染させた後回収した原虫ではHSP90の発現は完全に消失する。 4.C57BL/6マウスからαβ型T細胞、ことにCD4^+T細胞を除去後に強毒株を感染させた場合にも回収原虫からHSP90は消失する。 5.P.yoelii強毒株のHSP90cDNAは、721個のアミノ酸をコードしていた。 6.推察されるアミノ酸配列は、P.falciparumのHSP90と最も高い相同性(86%)を示した。またヒト、マウスのHSP90とは、ともに63%の相同性を示した。 7.強毒、弱毒株間には3カ所のsilent mutatinが存在していた。 8.残念ながらHSP90の結合蛋白の同定はまだ進行中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)