Project/Area Number |
11147230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
野崎 智義 国立感染症研究所, 寄生動物部外来寄生動物室, 室長 (60198588)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | マラリア / システイン / ペロキシレドキシン / アンチオキシダント |
Research Abstract |
マラリア原虫は宿主内において様々な酸素ストレスに曝されるため、これらの酸素ストレスに対して防御機構を有すると考えられる。そこで我々は原虫に比較的広く存在し、我々が既に赤痢アメーバにおいて行ってきたシステイン合成経路の固定とその主要酵素の解析を行った。Sanger Centerの熱帯熱マラリア原虫のショトガンライブラリーデータベース上のシステイン合成酵素ホモログと思われる配列を元にPCRによりゲノムライブラリー及び原虫DNAから遺伝子断片の獲得を試みたが、獲得できなかった。また、システイン合成酵素欠損大腸菌株とP.yoelii cDNAライブラリーを用いたレスキューによってもシステイン合成酵素遺伝子は獲得できなかった。そこでシステイン合成経路の研究は赤痢アメーバにおける機能解析を中心として行い、赤痢アメーバにおいてシステイン合成経路が抗酸素機構を担うことを明らかにした。 また、近年抗酸化物として注目されているペロキシレドキシンをマラリア原虫から固定・解析した。ペロキシドキシンは細菌から高等生物まで広く存在する抗酸化物で、1-cys及び2-cysタイプと呼ばれる二つのアイソタイプが存在する。これらはアミノ酸一時配列においてシステインを囲む保存領域を一つ或いは二つもつ。これまで細菌及び原虫においては一つの生物は一種類のペロキシレドキシンをもつと考えられてきた。しかし、我々はマラリア原虫において1-cysタイプ、2-cysタイプに特徴的なアミノ酸配列をもとにdegenerate PCR法によりP.yoeliiのcDNAライブラリーよりペロキシレドキシンのcDNAを獲得、配列を確定した。どちらのアイソタイプもガメトサイトからオオキネートのいずれかのステージにおいて発現してることが明らかとなった。原虫を含めた単細胞生物においてペロキシレドキシン両アイソタイプを発現する生物はこれまで報告がなく、それぞれのアイソタイプの特異性・発現様式など興味深い点は多い。
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