線虫の神経機能に関与する遺伝子のゲノムワイドなスクリーニング
Project/Area Number |
11149206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯野 雄一 東京大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (40192471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國友 博文 東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20302812)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 生殖細胞形成 / 生殖腺特異的遺伝子 / 不捻表現型 / RNAi法 / 逆遺伝学 / Ras-MAPキナーゼ系 / 嗅覚 / 化学走性 |
Research Abstract |
1)線虫の生殖細胞形成に関わる遺伝子の逆遺伝学を用いたスクリーニング 線虫の生殖腺に特異的に発現するcDNAをできるだけ多く同定するために、生殖腺内に減数分裂期の生殖系列細胞を多く持つglp-1(ts)変異株由来のcDNAから、生殖腺を持たないglp-4(ts)変異株のcDNAを差し引くサブトラクションを行った。遺伝研の小原らのcDNAプロジェクトにより得られた約7500種(予想される全遺伝子の約4割)の分類済のcDNAがスポットされたhigh density gridフィルターに対し、上記のようにサブトラクトしたcDNAプールをプローブに用いてハイブリダイゼーシヨンを行い、約300の生殖腺特異的cDNAの候補を得た。このように同定された約300種のcDNAのうち約120クローンについて、各cDNAから順次二重鎖RNAを合成して線虫に微小注入し、機能阻害実験を行った。この結果、約20%(23クローン)で不妊の表現型が得られた。これらの表現型は生殖腺が発達せず生殖幹細胞が増殖しないGlp表現型、逆に生殖幹細胞が増殖し続けるGld表現型、受精又は排卵不能の3つに分けられた。 2)神経機能に関与する遺伝子の解析 線虫C.elegansのRasであるlet-60の機能欠失型変異、活性化型変異のいずれもが匂い物質に対する化学走性に欠損を持つことを見いだした。Rasの下流のMAPキナーゼ系の各因子の変異によっても同様の欠損が見られる。ヒートショックプロモーターや細胞特異的プロモーターによるlet-60の発現実験により、発生の過程ではなく、成虫の嗅覚神経でRasが機能することが明らかとなった。また、活性化型MAPキナーゼに対する抗体を用いた組織染色により、匂い刺激により嗅覚神経でMAPキナーゼが活性化されることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)
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[Publications] Kawasaki, M., Hisamoto, N., Iino, Y., Yamamoto, M., Ninomiya-Tsujii, J., Matsumoto, K.: "A Caenorhabditis elegans JNK signal transduction pathway regulates coordinated movement via type-D GABAergic motor neurons"EMBO Journal. 18. 3604-3615 (1999)
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