Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Research Abstract |
プラスチドDNAの発現には,様々な核酸結合タンパク質と核様体構造タンパク質が関与している。本研究では,植物ホルモンが葉緑体の発達を制御する可能性を,葉緑体核様体を構成するDNA結合タンパク質の発現制御の観点から明らかにすることを目的としている。本年度の主な結果は以下の通りである。 1.新規に得られたcDNA(PN4,PN15)の配列を決めた。PN4については,GFP融合タンパク質を利用した細胞内局在の検討を行ったが,細胞質のタンパク質であることがわかり,葉緑体核様体タンパク質と類似の別のタンパク質のクローンであったと判断された。 2.核様体の主要タンパク質である70kDaタンパク質の同定を長谷俊治班員と共同研究で行い,これが亜硫酸還元酵素(SiR)そのもであることを突き止めた。70kDaタンパク質はDNAとともに核様体様の顆粒構造を作ることがわかっているが,精製した組み換えSiRは葉緑体DNAとともに同様の顆粒を生ずることがわかった。 3.これまで,サイトカイニンの緑化に対する効果について,エンドウ上胚軸では抑制,キウリ切り取り子葉では促進と,全く異なる作用があると考えてきたが,キウリでも胚軸の系を用いると,子葉では促進,本葉の芽では抑制がみられた。さらに,極めて低濃度のサイトカイニンにより,エンドウのフック部分の展開が促進されることが判明し,結局,エンドウでもキウリでもサイトカイニンによる緑化の促進と抑制があるとして統一的に理解できることになった。今後,この抑制と促進の機構を調べるため,ARRホモローグを単離して,その誘導がどちらの場合でもおこるのか,検討したい。
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