Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
|
Research Abstract |
光形態形成異常あるいは光制御遺伝子発現異常シロイヌナズナ突然変異体を用いて,プラスチドRNAポリメラーゼのシグマ(σ)因子をコードする遺伝子の発現を調べたところ,全てのσ因子は,核遺伝子で知られている光シグナル伝達系の支配下にあることが明らかになった.このことは,σ因子が核から葉緑体でのシグナル伝達を担っていることを示唆する.また,コア酸素βサブユニットをコードするrpoBの発現も同様な支配下にあることから,rpoBを転写するNEP(Nuclear-Encoded Plastid RNA Polymerase)も,σ因子と同様の光シグナル伝達系の支配下にあるものと考えられる.波長の異なる光による照射実験を行い,σ因子及びプラスチド光合成遺伝子の発現を調べたところ,赤色光および近赤外光(フィトクロム系励起シグナル)は、青色光(クリプトクロム系励起シグナル)ともに,σ因子の発現を促進した.このときのプラスチド光合成遺伝子発現を見ると,赤色光および青色光においてSIG_Sの発現と相関は低かった.これは,プラスチド遺伝子発現に重要なσ因子が翻訳および翻訳後の修飾の制御を受けたためと考えられる.この修飾の1つの候補としてリン酸化が挙げられる.光化学系のレドックス変化が光合成色素合成を含む光合成遺伝子発現を制御している可能性が,別途推進してきたラン藻Synechocystis sp. PCC 6803の強光耐性変異D1タンパク質の研究からも支持された. シロイヌナズナSIG-cDNAクローニングは,EST(expressed sequence tag)データベースの利用により可能になったが(Isono et al. : Proc. Natl. Acad. Sci USA , 94, 14948-14953, 1997),それ以前,真性細菌由来σ因子とのホモロジー,あるいはプラスチド遺伝子プロモータとの結合結成を指標にした方法論を試みた.これらの結果,シロイヌナズナから,新規のRNA/DNA helicase およびCa2_<+->dependent nuclease のcDNAクローンを得た.
|