脊椎動物神経冠におけるHox遺伝子発現進化の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
11152218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田 洋 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60303806)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ナメクジウオ / ホヤ / Hox / 神経冠 / 下垂体 / 転写制御 / エンハンサー |
Research Abstract |
マウスの神経節と鰓弓のそれぞれで発現を活性化するエンハンサー2A及び2Bについて、ホヤにおける活性を調べた。2Aをホヤ卵に導入したところ、神経管の先端の脳下腺と呼ばれる領域で発現が活性化された。ここは脊椎動物の下垂体、ナメクジウオのpreoral pitと相同と考えられており、後述のようにナメクジウオのpreoal pitでAmphi Hox2が発現していることと合わせて、2Aにはナメクジウオのpreoral pitでの発現を制御するエレメントが含まれていると考えられる。現在このpreoral pitのエレメントとマウスの神経節での発現を活性化するエレメントが同一のものであるか、そこにトランスに作用する因子は何かを調べるために、神経節と脳下腺でのエンハンサー活性を、それぞれゼブラフィッシュとホヤの系を用いて、短い領域に特定していく作業を進めている。2Bに関しては、これまでのところホヤでの活性は認められていない。 脊椎動物とナメクジウオの間でHox遺伝子の発現制御機構を比較するに際して、ナメクジウオのHox遺伝子の発現を正確に理解しておくことが必須のことであると考え、AmphiHoX1-4について、時空間的な発現を詳細に解析した。その結果、AmphiHox1,3,4は、1から4の順に、神経管において2体節分ずつ後方にシフトした前方境界を持つ発現をすること、また発現の開始時期も少しずつ遅れることを明らかにすることができ、Hox遺伝子発現の時間的、空間的なコリニアリティーがナメクジウオでも確認された。AmphiHox2は典型的なHox遺伝子様の神経管での発現はせず、発生後期にpreoral pitでの発現が見られた。このようなHoxクラスターの中に位置しながら、二次的にHox遺伝子としての機能が失われたように見られる例はショウジョウバエのzenなどでも見られる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)