ショウジョウバエHh/dCBP/Ci伝達系に関与する遺伝子の単離同定
Project/Area Number |
11152240
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
秋丸 裕司 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 先任研究員 (70241247)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | ショウジョウバエ / 形態形成 / CREB-binding protein / co-activator / Hedgehog / モザイク解析 / Moonrat |
Research Abstract |
Hhは翅成虫原基の後部区画でのみ発現し、前部区画ではrepressor機能を持つCiにより、その発現が抑制されている。Ciが結合するcis-elementを欠損しているため、Ciによる抑制が解除され前部区画でのHh異所的発現により翅に異常を生じるhhの機能獲得型変異体Moonrat(Mrt)を用い、この表現型を変化させる変異体を、P element挿入変異を用いて検索した。その結果、Mrtの表現型をenhanceする系統を4系統得ることが出来た[E(Mrt)4,5,6,7]。これらの内、E(Mrt)5についてさらに解析を行った。既知のnegative regulatorであるptc,pka及びcost-2変異体とE(Mrt)5との二重変異体は、いずれもMrt表現型を単独の場合よりもより強くenhanceしたことから、E(Mrt)5はptc等と同様にHhシグナルに対して抑制的に機能すると考えられる。さらに、h[9D]は、heat shock promoter-hhを持つP elementがgenomeに挿入した際に、翅成虫原基の前部区画で発現するenhancerをtrapしてhhを異所的に発現するもう一つの機能獲得型変異体である。Ciによる抑制とは関係なくhhが発現しているので、Hhシグナルの下流で機能する抑制因子の変異体のみが、このh[9D]表現型をenhanceすることになる。実際、ptc、pkaはh[9D]変異をdominant enhanceするが、E(Mrt)5はh[9D]表現型を全くenhanceしなかったことから、E(Mrt)5は、上流で機能していることが示唆される。そこで、Ciが転写抑制因子として機能している局面にE(Mrt)5が関与している可能性を検討するために、モザイク解析を行った。翅成虫原基の前部区画において、転写抑制型Ciは、そのtargetとしてhhおよびdpp遺伝子の発現を抑制しているので、E(Mrt)5欠損クローン内でのhhおよびdppの発現をマーカーとして調べた。その結果、E(Mrt)5クローン内部では、ciクローンのようにhh、dppの発現の上昇は認められなかった。しかし、前部区画クローンに隣接して、かつ、後部区画にまで及ぶようなwild type細胞領域では、hh、dpp遺伝子の著しい発現が見られたことから、明らかに異なる機構でhh遺伝子の発現制御に関与していることが考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)